出版社内容情報
きっかけは、著者の一人である矢田明子が抱いた「なぜ人は日常のなかで、健康を高めたり、気づき合ったりできないのだろう」という素朴な問いでした。
そうして島根で始まったコミュニティナースの取り組みは、いまや全国、そして海外にも広がり、多様な企業や自治体がその本質を自らの営みに取り込むまでになっています。
本書はコミュニティナースという実践を軸に、今日本各地で静かに、しかし着実に遂行されている新しい経営戦略「公益経営」の実像に迫ります。
本書の特徴は、経営的視点と文化的視点を往還しながらこの動きを解き明かす構成です。
第1章では、2017年に矢田が設立した株式会社CNC(当時はCommunity Nurse Company 株式会社)の事業と経営モデルの軌跡を紹介。
第2章は、矢田が経営哲学と変化への覚悟を語り、
第3章は、CNCとともに歩む「公益経営者」たちのリアルな声を通じてその広がりを紹介。
第4章は、文化人類学者・藏本龍介がこの現象を客観的に読み解きます。
「顔の見える営み」として、他者との関係性から価値を立ち上げていく力。それは、きっとあなたのなかにもあるはずです。
本書は、そんな力に火を灯す羅針盤になります。
静かに始まっている、日本発の新しい経営潮流。その本質に触れてみてください。
【目次】
はじめに
第1章 CNCという組織
第2章 「一億総コミュニティナース」の実現に向けた経営戦略
「一億総コミュニティナース」とCNCの革新性
CNCの事業構造
コミュニティナースという「技術」
「バランス」の重要性
第3章 公益経営者たちの挑戦
公益に資すること。それは長続きするビジネスの秘訣でもある
「食品を売る」だけが役割じゃない。地域密着スーパーの経営哲学
地域を大切に想うヤクルトレディ×コミュニティナースの知見ー進化する健康づくり
世界80億人の健康を守るのは「おせっかい」かもしれない
第4章 CNCの静かな革命
CNCを「言語化」する
CNCのミッション①:相互扶助の再構築
CNCのミッション②:「”生きる”を進化させる。」
CNCのビジネスモデル
おわりに
内容説明
CNCの取り組みは、社会の「内側」からゆっくりと変化を促しています。新たな文化・知恵・仕組みを創造することによって、西洋近代教的な価値観や社会構造を静かに、しかし着実に変えつつあります。そこで私はこのような活動を、「静かな革命」と呼びたいと思います。
目次
第1章 CNCという組織
第2章 「一億総コミュニティナース」の実現に向けた経営戦略(「一億総コミュニティナース」とCNCの革新性;CNCの事業構造;コミュニティナースという「技術」;「バランス」の重要性)
第3章 公益経営者たちの挑戦(公益に資すること。それは長続きするビジネスの秘訣でもある;「食品を売る」だけが役割じゃない。地域密着スーパーの経営哲学;地域を大切に想うヤクルトレディ×コミュニティナースの知見―進化する健康づくり;世界80億人の健康を守るのは「おせっかい」かもしれない)
第4章 CNCの静かな革命(CNCを「言語化」する;CNCのミッション1 相互扶助の再構築;CNCのミッション2 「“生きる”を、進化させる。」;CNCのビジネスモデル)
著者等紹介
土屋有[ツチヤユウ]
国立大学法人宮崎大学地域資源創成学部准教授、株式会社CNC取締役。宮崎県都城市出身。アントレプレナーシップとマーケティングが専門、非産業集積地域における創業メカニズムを研究。アイレップ(現・Hakuhodo DY ONE)、面白法人カヤック、アラタナ(現・ZOZO)役員など
藏本龍介[クラモトリョウスケ]
東京大学東洋文化研究所教授。福岡県福岡市出身。東京大学教養学部卒業、同大学大学院総合文化研究科博士課程単位取得満期退学。博士(学術)。専門は文化人類学。2006年からミャンマーで出家を含む現地調査を行う
野村高文[ノムラタカフミ]
Podcast Studio Chronicle代表、編集者。愛知県知立市出身。東京大学文学部卒業。PHP研究所、ボストン・コンサルティング・グループ、ニューズピックスを経て、2022年に独立。制作した音声番組「a scope」「経営中毒」で、JAPAN PODCAST AWARDベストナレッジ賞を2年連続受賞。TBS Podcast「東京ビジネスハブ」メインMC
矢田明子[ヤタアキコ]
株式会社CNC代表取締役、一般社団法人Community Nurse Laboratory代表理事。島根県出雲市出身。2014年、島根大学医学部看護学科卒業。2017年、CNCの前身であるCommunity Nurse Companyを設立し、全国の企業や自治体と連携しコミュニティナーシングの社会実装を本格化する。2022年、第10回アジア太平洋高齢者ケア・イノベーションアワードHOME CARE FOR AGEING‐IN‐PLACE部門グランプリ受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。