出版社内容情報
かくも純で、かくもわがままな愛があっただろうか―
永井荷風も激賞した、カナダ人作家によるジャポネスク小説
(あらすじ)
日本人青年高島織人は、許嫁のお梅を日本に残しアメリカ留学へ旅立つ。8年後、帰国する船中で彼はアメリカ人女性クレオと猛烈な恋に落ちた。しかし彼女にはすでにフィアンセがいたのである……
一方、8年ぶりに織人と再会したお梅には、彼に対するかつてほどの愛情はなかった。そのとき、織人が恋したアメリカ人女性のフィアンセ、シンクレアと出会うことになる。それこそが、この4人の苦悩と悲劇、そして幸福のはじまりだった。
《著者》オノト・ワタンナ(1875-1954)
本名ウィニフレッド・イートン。イギリス人の父と中国
人の母との間にカナダで生まれる。本作をはじめ、「二
条の娘」「日本爛漫記」など日本を舞台にした作品を多
数執筆し、ジャポネスク(日本趣味)小説の旗手と言わ
れる。
《訳者》中田耕治
1927 年東京都生まれ。戦後、最年少の批評家として文
壇に登場し、『ショパン論』『ゴーゴリ論』などがある。
演劇の演出家としては、「闘牛」(3幕)の演出が代表作。
作家として『危険な女』(河出書房新社)、『異聞猿飛佐助』
(東都書房)ほか。評伝『ルクレツィア・ボルジア』(集
英社文庫)、『ルイ・ジュヴェとその時代』(作品社)、『メ
ディチ家 の人びと』(講談社学術文庫)、『ブランヴィリ
エ侯爵夫人』(白順社・血と薔薇文庫)など。
内容説明
けなげに生きる娘がいた。愛すればこそ…時は明治、舞台は葉山、東と西の確執は無垢な魂にまでおよんだ。
著者等紹介
ワタンナ,オノト[ワタンナ,オノト][Watanna,Onoto]
本名ウィニフレッド・イートン。1875年、イギリス人貿易商の父と中国人の母との間にカナダで生まれる。19世紀末より1920年代にかけ、日本と日本人を題にとった作品を主に発表する。1954年没
中田耕治[ナカタコウジ]
1927年、東京に生まれる。戦後、最年少の批評家として文壇に登場。演出家、作家、翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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