内容説明
継母に疎まれている彼女は悪夢に苦しめられていた。それは、過去にあった実母の死の記憶。やがて、その夢に隠された真実を知ったとき(『ヘンゼルとグレーテル』)。誘拐された我が子の身を案じる母親。警察の捜査も進展せず、時間だけが過ぎていった。あるとき、母親の前に不思議な男が現れ、和歌を伝える。その和歌が示す意味とは(『隅田川』)。報復屋三輪辰史が晴らせぬ恨みを引き受ける。報復にかかわる妖しく哀しい人間模様を描いた怪異物語。
著者等紹介
鈴木麻純[スズキマスミ]
1985年、静岡県生まれ。神奈川県在住。2007年にwebサイト「Nosferatu」を開設。創作小説を書き始める。「蛟堂報復録」でアルファポリスミステリー小説大賞を受賞し、書籍刊行へと至る(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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そのぼん
15
一話目が面白かったです。童話の『ヘンゼルとグレーテル』が効果的に使われていて、不気味でした。蛇足ですが、二話目のタイトルを見たとき、一瞬『神田川』と読み間違えて昔の歌が頭に浮かびました(苦笑)。2012/01/30
hana
5
丑雄がかざしている正義感は押し付けがましくてイラっとしてしまう。辰史のこころのうちを理解する日は何時になるやら。。。2010/06/30
藤月はな(灯れ松明の火)
5
今回、かわいい屍喰が大活躍でにやにやしてしまいました。秋寅の性悪さも窺えたので満足ですが「自分の正義は他の人にとっても正義である」という考えの丑雄は「偽善者」っていってやりたいほど、嫌いです。(すみません、ひねくれ者で)普通は見たくない人の業に目をそらさず、それにあわせて裁量する辰史は読む度にいい人に見えてきます。「辰史は本当は優しい子」という華緒母に賛成します。2010/02/07
徒然亭小四草
4
今回は何だかありきたりな展開。しかし今後への期待は膨らむ。三輪家と丹塗矢家に何があったのか気になる。それにしても丑雄は理屈っぽい。嫌いだ。まあ今後彼らの過去がわかれば印象も変わるのだろうが。しかし報復はそんなに悪いことなのか。私は報復ありな人間。何かをするときは報復覚悟でやるべき。世の中綺麗事だけでは動いていかない。2010/09/17
星華@FANKS
3
今回は2話収録でした。ですがその分じっくりと読む事が出来たように思えます。私的には「ヘンゼルとグレーテル」の方が好きです。2015/10/09
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