内容説明
ワーキング・プアの急増、格差の拡大。人間社会をエントロピー論で解き明かしてみれば、これらの原因は一目瞭然。疲弊した社会を修復・再生するための処方せん。
目次
1章 地球複合循環の中の人間社会
2章 人間の欲望が社会を修復・再生する
3章 「膨張」を「成長」と勘違いしている現代経済学
4章 誰が責任を取るのか、公害と廃棄物
5章 科学技術と貿易が失業と貧困をもたらす
6章 子孫を収奪して成り立つ現代の繁栄・原子力と国債
7章 規制緩和、ゼロ金利という日本型悪政
8章 経済成長を可能にする生態系とは
9章 個人も社会も、ほどほどの幸せを目標にする
著者等紹介
槌田敦[ツチダアツシ]
1933年東京生まれ。東京都立大学理学部化学科卒。東京大学大学院物理課程D2修了後、同大助手を経て理化学研究所研究員。定年退職後、94年から名城大学経済学部教授(環境経済学)。06年定年退職。05年4月から高千穂大学非常勤講師。理学博士(東京大学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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しゅわっち
17
面白かった。全てに賛同したわけでは、ないが、経済学が、強者の論理で、弱物を排除し、全体が悪くなるのに賛同しました。現状の経済学の論理で、格差が広がり、社会が不安定になってるのを説明しています。今世界で求められているのは、日本の農村の種を3粒まけ、1つは、鳥のため、1つは、土地のため、もう1つは、自分のため。この精神がすべてに必要に感じました。環境もこの本を参考にしてほしいことがありました。西洋追従で間違えた方向に進んでいるようにも感じました。ある程度エントロピーを理解していないと難しい本かもしれません。2021/07/04
makio37
1
堂々と福島3号機の核爆発を主張できる、胆力のある学者がいることを知り、その人が提唱するエントロピー経済学というものに興味を持ち、読んだ。結果として、自分にとって福島原発の件以上の収穫となった。「外部不経済」という概念を知ることは、原発や国債発行、自由貿易などの問題点を指摘して、現代経済学を振り回す強者と戦っていく上で強力な、理論武装となると思う。現実を見ない理想論、と取り合わない人も多いかもしれないけれど、自分自身が99%側だと自覚した瞬間に、本書はバイブルになり得ると思う。2013/09/08
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