出版社内容情報
(「まえがき」抜粋)
人は働かなくては生きていくことはできない。資本主義社会においては、巨額の資産(土地、株式など)を持って、地代や配当だけで生活するのに十分な不労所得を得ている人を除いては、すべての人が働いている。20年くらい前までは、かつてのバブル経済のような好景気が来ることはないが、真面目に働いていれば、現在の生活も、将来の展望もなんとかなるという見通しが立ったが、令和になった現在の状況はそう甘くない。
(中略)
<ニッセイ基礎研究所は、サラリーマンと専業主婦の2人世帯で老後に自由に使える収入が公的年金のみのケースを想定して試算した。65歳で退職して年金を受給し、生涯で資産がなくなるリスクがほぼない前提での試算。現役時代と同じ生活水準を保とうとすれば、年収300万円未満の世帯で1800万円、1200万円以上の世帯で7700万円など、年収が増えるごとに必要額も大きく膨らむ>(6月11日「朝日新聞デジタル」)。
他のシンクタンクのデータでも1500万円以上が必要になる。もはや自助努力で解決できないくらい事態は深刻になっている。金融庁報告書を感情的に非難するのではなく、大幅な消費増税も視野に入れた、高負担・高福祉に年金を含む社会保障の構造を転換するシナリオも検討すべきだと思う。
本書の目的は、われわれ1人1人を取り巻く働き方をめぐる問題を現実的にとらえ、解決の方策を見出す視座を育成することだ。
目次
第1章 働き過ぎてはいけない
第2章 職業の選択を間違えてはいけない
第3章 リスクは誰にでも襲いかかる
第4章 会社を辞めてはいけない
第5章 仕事だけしていたら孤独が待っている
第6章 仕事の目的は休むことだ
著者等紹介
佐藤優[サトウマサル]
1960年東京生まれ。85年同志社大学大学院神学研究科修了後、外務省入省。在英日本国大使館、在ロシア連邦日本国大使館に勤務した後、95年より外務本省国際情報局分析第一課において勤務。98年より主任分析官として、対ロシア外交の最前線で活躍。2002年、背任と偽計業務妨害罪容疑で東京地検特捜部に逮捕され、以後、東京拘置所に512日間勾留される。09年、最高裁で上告棄却、執行猶予付有罪が確定し、外務省を失職。13年に執行猶予期間を満了し、刑の言い渡しが効力を失った。05年に発表した『国家の罠』(新潮社)で第59回毎日出版文化賞特別賞を受賞。翌06年には『自壊する帝国』(新潮社)で、第5回新潮ドキュメント賞、07年第38回大宅壮一ノンフィクション賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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