内容説明
「宗谷」乗組員・観測隊員が初めて共同執筆でまとめた「宗谷」各部署の業務、船内生活、観測の記録。オビ号、バートン・アイランド号による救出、タロ・ジロのエピソードなども詳しく紹介。
目次
01 航海記(第一次南極観測「宗谷」航海記;第二次南極観測「宗谷」航海記 ほか)
02 航空オペレーション(第三次「宗谷」航空輸送オペレーション記;第四次「宗谷」航空輸送オペレーション記 ほか)
03 観測隊員の記録(南極第一次の食糧と夜光観測;南極第二~三次のオーロラ観測記 ほか)
04 資料(「ペンギン日記」(朝比奈菊雄著)に描かれた松本船長、永田観測隊長および西堀副隊長(越冬隊長)
南極新聞(第一次隊) ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
司書見習い
2
南極観測船宗谷の乗組員たちの日誌やインタビューを集めた本。 巻頭カラー含め、図や写真も多く使われているので、現場の雰囲気を味わうのに向いている。 乗組員たちの役職によっても見方が変わるのが興味深かった。ただし、視点が変わる度に時系列が前後してしまうため、その辺は注意して読む必要がある。また、宗谷は様々な船歴を経てきた船だが、南極観測船時代以外は軽く触れる程度にとどめてあるので、それについては他の本を参照したほうが良い。2015/02/14
Kahei Tamura
1
乗組員や越冬隊員の実話が淡々と連なる、だからズシンとくる。米ソの砕氷船の度重なる協力、真水や燃料とのにらめっこ、生鮮食料と寒冷地食費との整合性、南極への途上35℃にもなる赤道付近では樺太犬だけがクーラーを浴びていた等、多数のエピソードが。中でも越冬を諦めた後の第三次越冬隊が、無許可で子犬を3匹連れて行ったこと、腕を食いちぎられる覚悟でタロとジロに近づいた場面は、犬好きにはたまらない。その他宗谷本ほど大げさな話しにはなってないが、当人が語っている分だけ重みが全然違う。2015/08/19