木景療法―樹木画による力動的治療

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  • サイズ A5判/ページ数 228p/高さ 22cm
  • 商品コード 9784422115146
  • NDC分類 146.8
  • Cコード C3011

出版社内容情報

樹木画を心理療法の一つとして用いることを提唱しその実践を「木景療法」と命名。その考え方の基本と、治療の場での具体像を示す。

樹木画(主としてバウムテスト)は、精神科治療や心理臨床において、診断の補助手段や患者の状態像の把握のために用いられてきた。本書の著者は、樹木画を単なる心理テストとしてでなく心理療法の一つとして用いることを提唱し、そうした治療実践を「木景療法」と名付けた。本書では、木景療法の基本的な考え方を示すとともに、治療の場における具体像を「樹木画を前にした対話」という形でまとめ、さらに数十年に及ぶ加藤の貴重な症例報告を収載。

はじめに   加藤 清

第一部 木景療法の理論と背景
第一章 木景療法とは
1 はじめに
2 木景療法の生まれるまで
3 樹木をめぐる神話と象徴
4 現代において樹木神話を生きる
    コラム1 樹木について
    コラム2 カメルーンに長く住んでいた女性の樹木画
    コラム3 さかさの木の樹木画
5 木景療法の目的と留意点

第二章 樹木に関する総合知見
1 樹木画に関する従来の見方
2 木景療法ではどこに注目するのか
    コラム4 幼児の樹木画

第三章 木景療法の実施方法と描画の読み方
1 具体的な実施方法
2 描画の読み方
    コラム5 形態水準の改善のしかた

第二部 木景療法の実際─樹木画を介した対話
1 うつ状態の回復過程
2 統合失調症の回復過程
3 木景療法による治療関係の深まり
4 人格成長にともなうバウムの変化
5 自死した人の木景
    コラム6 躁状態の木景の特徴
    コラム7 躁うつ病の回復過程と木景
    コラム8 デイケアの治療効果をバウムで見る

第三部 長期間におよぶ木景療法の症例─加藤の症例より
1 統合失調症
2 うつ病、抑うつ状態
3 躁うつ病
4 その他

あとがき  丸井規博

参考文献

内容説明

樹木画のありようは、治療者と患者との包越性をそのまま表す。本書は、樹木画をテストとしてではなく治療の一環として用いつづけた、半世紀にわたる試みの結晶である。

目次

第1部 木景療法の理論と背景(木景療法とは;樹木に関する総合知見;木景療法の実施方法と描画の読み方)
第2部 木景療法の実際―樹木画を前にした対話
第3部 長期間におよぶ木景療法の症例―加藤の症例より

著者等紹介

加藤清[カトウキヨシ]
1921年生まれ。1944年京都大学医学部卒業。海軍軍医を経て1945年同大学医学部精神神経学教室助手、1958年助教授。1972年に国立京都病院医長、1986年同病院退官。その後、葵橋ファミリークリニック理事、京都博愛会病院顧問、吉田医院院長代行、隈病院顧問を経て、1998年8月より2010年9月までまるいクリニックにて顧問医師として診療を行った。統合失調症の生化学・薬理学・芸術療法・精神病理学の研究だけでなく、その臨床姿勢を通して多くの指導的精神科医を育てるとともに、精神病理・精神療法学会、芸術療法学会などの設立に貢献し、多くの心理療法家をも育てた

丸井規博[マルイノリヒロ]
1954年生まれ。1975年京都大学法学部中退。1981年鳥取大学医学部卒業。同年大津赤十字病院神経科、1986年京都大学医学部精神神経学教室助手を経て、1998年まるいクリニック開院。現在、医療法人博友会理事長、京都神経精神科診療所協会会長、京都精神科医会副会長、社会福祉法人物集女福祉会理事、(財)京都市ユースサービス協会スーパーバイザー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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