目次
第1部 理論編(信念対立とはどんな問題?;構造構成学とは何か;信念対立を解明するとはどういうことか―解明論;人間とは何か―構造構成的人間論;信念対立解明の諸条件―解明条件論)
第2部 技法論編(解明師の「構え」をつくる―解明態度;信念対立解明アプローチに通底するコミュニケーション・スキル―解明交流法;信念対立解明アプローチのアセスメント―解明評価;信念対立解明アプローチの基礎技法―解明術壱号;信念対立解明アプローチの基礎技法―解明術弐号;信念対立解明アプローチの基礎技法―解明術参号)
第3部 仕上げ編(解明評価スキルアップ・トレーニング;解明術スキルアップ・トレーニング;信念対立解明アプローチとは何か)
著者等紹介
京極真[キョウゴクマコト]
1976年大阪府生まれ。博士(作業療法学)、解明師見習、作業療法士。専門は構造構成学、信念対立解明アプローチ、作業療法学。首都大学東京大学院人間健康科学研究科博士後期課程修了。現在、吉備国際大学大学院保健科学研究科准教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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SGM
7
★★☆信念対立解明アプローチは、構造構成的人間論という人間原理を背景に、倫理的ジレンマが生じると、契機ー志向相関的に構成された問題としてとらえ分析していく。その結果を踏まえて、解明術を仕掛けていき、倫理的ジレンマという問題構造の成立条件を突き崩していくもの。言葉がやや難解なため理解しにくいかもしれないが、順を追って読んでいけばそれほど理解するのは困難ではない。無意識または意図的にこのアプローチを経験則的に行っている人もいるかもしれないが、それを体系化したところに本著の意義があると思われる。2018/09/05
yutayonemoto
5
こんなに構造が分かりやすい本にはなかなか出会えない。 理論のことではないいんだけど,P262が今の僕にとても響いた。先生の優しさに溢れている。 僕の人生に大きな影響を与えている本,これからももっと影響を与えてくれると予見できる本。 と書きましたが,それも信念なので解明態度を養いましょう。2013/12/21
ひろか
4
構造構成主義を援用しつつ、著者の感心領域である医療保健領域での専門家通しの信念対立をどのように解消していくかについての理論と技法論である。信念対立が起きているとき、双方が信念は志向相関的であるということを気づけないときだという視点が重要。専門家であるがゆえに起こる問題であり、興味深い。筆者は患者相談の中でこれを用いることには慎重だが、家族療法的な考えに近く、クライエントとの関係においても利用可能な考えだと思う2012/03/24
Yasu
3
チーム医療の答えを探るべく手にとった1冊。 自身の信念に疑いを持たないまま矛盾する信念に直面すると陥る信念対立。それを解決ではなく「解明」する事で信念対立から脱却する手法を学ぶ。一定の解答を得る(解決)のではなく問題から問題性を抜き取ってしまう「解明」。なかなか面白い考え方です。基となる構造構成学が難しいので繰り返し読んでみようと思います。2012/03/28
shimaryu
1
構造構成主義に関しての知識があまりなく、言葉の理解は難しかったですが、何回も読んで理解を深めたいと思える本でした。人は契機-志向相関的に構造を構成する主体である。このことを意識できるだけでも、少し生きやすくなる人が増えるんじゃないかなぁと思いました。2017/04/21