内容説明
一人の心理臨床家の生いたちと、その展開と、その到達点。「自閉」が論じられ、「治療者の迷いや困る能力」、「あいまいさを愛する能力」などが考案され、自身の経験や、研究の結果や、臨床例なども、適宜に織りこんでいる。
目次
3 症例研究(ある境界線症例の分析的面接過程と“支持すること”についての一考察;うつ感情が強かったある性格神経症について―治療面接中に同性愛的感情が高じた一事例;夢と催眠心像を素材にした一つの精神療法の試み―Hystero Nuanceが強く認められた一事例について;“意味イメイジ”を適用した一治療面接過程について―震えと妄想気分が強かった一症例;自閉的な分裂病の治療面接における一つの統合の試み)
4 コメント論文(甘えの入れ子構造・試論にみられる甘えの入れ子防衛・これも試論―私の空想と現実からの問いかけ;「間を置くこと」への誘い;分裂病患者の苦慮性と治療者が抱くイメージについて―素朴な人間学的観点より;壷イメージ法の理論と方法的な独自性―壷というメディアの適用;Nさんへの手紙―治療における曖昧さの価値を巡って;精神療法の基礎の基礎―治療者の迷い、困る能力とその工夫;私なりのケースの見方、書き方、感じ方―あるコメント論文より;天性の「素直な優しさ」をより大切に―その治療的洗練と関与的観察の深化に向けて)
5 自己史論およびスーパーバイズ論(心理臨床家の職業病―前田重治先生に聞く;スーパーヴァイズの上手な受け方―双方の体験を通じて;「私」という中心点に向かっての旅立ち―私のスーパーバイズの体験から)
著者等紹介
増井武士[マスイタケシ]
1945年和歌山市生まれ。1973年九州大学大学院教育学研究科博士課程修了。専門は精神療法学、治療面接学、メンタルヘルス論及びメンタルヘルスマネージメント。産業医科大学医学部助教授(教育学博士)、同大学病院精神・神経科および産業医実務研修センターを併任。日本心理臨床学会常任理事。同学会倫理委員長などを経て同学会編集委員、同学会理事などを歴任。2007年約30年にわたる産業医科大学退官後、東亜大学客員教授、日本産業カウンセリング学会理事などを務める(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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