内容説明
治療論総論から分裂病モデルの試論まで、精神病理学の新しい時代にふさわしい新鮮な発想12編。
目次
戦略的エポケーについて―他者の病理からみた分裂病治療論
分裂病を主観的に記述すること
ある慢性女性分裂病患者に認められた対人姿勢に関する考察
世界的規模の妄想世界をめぐって―家族に対する両価的感情を端緒として
分裂病寛解前期の「寂しさ」を取り上げることの治療学的意義
面前他者に関する注察・被害念慮―初期分裂病に対する誤診の一要因
初期分裂病における自生記憶想起の諸相
転帰からみた内因性若年―無力性不全症候群の疾患論的位置づけ
治療経過のなかで躁うつ病化する分裂病症例
非定型精神病における共同体と他者体験―類的存在の病理としての精神病(一)
フロイトによるパラノイア論の展開と分裂病への射程
カオスの精神分裂病論への前哨―精神病理学は自然科学理論のアナロジーをどこまで許容するか