内容説明
明治の幕開けとともにもたらされたダーウィンの進化論。これまでの研究では、日本人は進化論を抵抗なく受け入れたとされてきた。しかしそれは全くの神話である。その受容の歴史には、仏教、神道、キリスト教、哲学、マルクス主義、国体論などあらゆる思想やイデオロギーとの衝突や交渉がみられた。本書は明治から現代まで幅広い言説を博捜し、近代日本の思想を進化論への反応を軸にダイナミックに描き出す。
目次
序論
第1章 明治期の日本における進化論の宗教的伝播
第2章 進化、個人、国体
第3章 ダーウィン以後の仏法―明治仏教と進化論の抱擁
第4章 ユートピアの約束―社会主義ダーウィニズムと革命的ユートピア主義
第5章 「進化論は近代の迷信です」
第6章 観音による久遠の抱擁
結論
著者等紹介
ゴダール,クリントン[ゴダール,クリントン] [Godart,G.Clinton]
1976年オランダ生まれ。大阪外国語大学(現:大阪大学)言語社会研究科日本語日本文化修士課程修了、シカゴ大学大学院歴史学専攻博士課程修了。南カリフォルニア大学歴史学部助教、北海道大学現代日本学プログラム講師を経て、東北大学大学院国際文化研究科准教授。専攻は日本近代思想史・宗教史
碧海寿広[オオミトシヒロ]
1981年東京都生まれ。慶應義塾大学経済学部卒業、同大学院社会学研究科博士課程単位取得退学。博士(社会学)。現在、武蔵野大学文学部准教授。専門は宗教学、近代仏教(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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