出版社内容情報
倫理と信仰の意識生成への初めての心理学的アプローチ。「歴史心理学」ともいうべき新しい取組み。
内容説明
古代ギリシアにのみ見られる神話から哲学への発展―ギリシアにおいてなぜ初めて哲学は誕生し得たのか。神話世界に位置を占める女性性の重要性に着目したC・G・ユングの視点を発展的にとらえ、男性性と女性性の統合を通してこそ真の自己を知ることができるという確信から、西洋における倫理と信仰の伝統の出発点を探り、東洋の伝統との共通点と相違点を見事に抉り出した、「歴史心理学」ともいうべき新しい取組みが生み出した注目すべき成果がここにある。
目次
序論 人間存在の自己矛盾
第1章 古代における哲学と心理学
第2章 意識の発達史
第3章 哲学誕生
第4章 理性と霊性
第5章 男性性の帝国
第6章 神の女性性
終章 霊性問題のゆくえ
著者等紹介
湯浅泰雄[ユアサヤスオ]
1925年福岡市生れ。太平洋戦争末期の1945年4月、東京帝国大学文学部国史学科入学。陸軍に召集され、8月豊橋第二予備士官学校にて敗戦を迎え、9月復学、日本の古代史と神話を学ぶ。1947年より倫理学科に転科、和辻哲郎から哲学と日本思想を学び、1949年卒業。1952年東京大学経済学部に学士入学、1954年卒業、大学院修士課程に入学、近代経済学を学び、1956年卒業。同年、文学部助手となる。1961年より学習院高等科教諭、1966年より山梨大学教育学部助教授、1974年教授。1975年より大阪大学文学部教授、1979年度インドネシア大学客員教授。1980年より筑波大学教授、1984年日仏国際シンポジウム「科学技術と精神世界」企画委員長、1987年4‐9月北京日本学センター客員教授、1988年日中国際シンポジウム「気と人間科学」実行委員長。1989年より桜美林大学国際学部教授。1991年人体科学会創立、以後、この学会の会長、副会長などを務める。1996年桜美林大学大学院教授、1998年退官、同大学名誉教授
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