出版社内容情報
平将門、菅原道真、崇徳天皇、井上内親王……古くから語り継がれ、恐れられてきた日本の「怨霊」をモチーフに、現代に生きる男女の情愛の行方を艶やかな筆致で描く官能短編集。
自殺した議員秘書の謎を追うフリー記者は、秘書の妻と大手町の将門塚で待ち合わせるが――(「首塚」)。
「京都の濃い闇の中から生まれ出た物語集」――東 雅夫(解説より)
内容説明
怨霊は、生きてる人間の罪悪感が見せるもんやねん…平将門、菅原道真、崇徳天皇、井上内親王…古くから語り継がれ、恐れられてきた日本の「怨霊」をモチーフに、現代に生きる男女の情愛の行方を艶やかな筆致で描く官能短編集。自殺した議員秘書の謎を追うフリー記者の森裕士は、秘書の妻と大手町の将門塚で待ち合わせるが―(「首塚」)。
著者等紹介
花房観音[ハナブサカンノン]
兵庫県生まれ。京都女子大学中退後、映画会社、旅行会社などを経てバスガイドを務めるかたわら小説を執筆。2010年、第一回団鬼六賞大賞を『花祀り』で受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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starbro
163
花房 観音は、新作をコンスタントに読んでいる作家です。本書は、エロス&怨霊の短編集、オススメは、『首塚』&『雷神』です。 https://www.j-n.co.jp/books/?goods_code=978-4-408-55725-0 【読メエロ部】2022/06/30
じいじ
82
古くから日本各地で語り継がれる「怨霊」をモチーフに、いまに生きる男と女の情愛を綴った短篇7話。【雷神】は、落ち目の女と運に恵まれた女のレズビアンもの。女の本気の嫉妬は怖いです。表題作は、卑怯な男は当然ながら、ダマした女からの「怨念」を受けねばならないでしょう。三話目のこれを読んだら、もう腹一杯になりましたので、途中下車します。花房小説36冊目、今作で花房小説の卒業を決めました。2022/05/24
キンモクセイ
52
〝首塚〟潤んだ瞳で見つめられ明らかに誘っている。響子の手は裕士の膝の上に置かれた。「どうせ私は生きながらにして地獄に落ちてるんや」お前は俺も地獄の道連れにする気か。一体どのくらいの男性がこの状況で女性の指を撥ね除ける勇気があるのだろうか。〝雷神〟理亜は美しさの輝きを誰よりも放っていた。あの夜私との出来事が忘れられないのは知っていた。理亜は今でも雷の夜に私の前に現れる。〝ごりょうの森〟心より身体がその女を欲しかった。好きになってはいけない女、抱いてはいけない女だった。今、美也にそっくりな女が目の前にいる。2022/08/04
真理そら
51
将門、菅原道真、井上皇后他有名な怨霊の立場?に合わせた官能小説集。そこはかとなく哀しく怖い。2024/09/22
よしぱん
36
★3 平将門や何ちゃら天皇など怨霊のエピソードと絡めた短編集、てかいろんなイケナイ関係を描いたエロ短編集かな。①亡くなったお世話になった先輩の奥さんと②劇団の後輩と女性同士で③父親の愛人の娘と④不能夫に行為を見せつける女⑤かつて愛して今は経営権を争ういとこと⑥母が、離れていった父に似ている息子と⑦舅との子を夫の子として産んで。いやあ、他人事だからこんなシチュエーションを楽しめるけど、自分だったらもっと安心できる環境でエロを楽しみたいもんだなw2023/08/10