出版社内容情報
七福神の判じ物を現場に置く辻斬り。隠密同心を助ける人形師兄妹が、闇の辻斬り一味に迫る。 人情味あふれる書き下ろしシリーズ
内容説明
本郷「おもかげ堂」の磯松と玖美兄妹は人形師だが、別の顔が二つある。一つは亡き人の思い出をむきもので再現し、遺族の心をなぐさめる「おもかげ料理」を作ること。そしてもう一つの顔は、隠密廻り同心・大河内の下働き。谷中近辺に現れた辻斬り探索を頼まれたが、死人のそばに置かれた七福神の判じ物は何を意味するのか。兄妹の探索に怪しい影が忍び寄る―。
著者等紹介
倉阪鬼一郎[クラサカキイチロウ]
1960年三重県生まれ。早稲田大学第一文学部卒。87年にデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Norico
13
人形師が隠密同心の元で江戸の悪を退治?していく、という感じ。からくり人形が悪人の気配を追うなんて、ややオカルトチックで好き。おもかげ料理が、読んでてもイメージがつかみにくい…。2020/01/13
ひよこまめ
7
先輩にお借りした本。読み終わった時、爽やかな気分になりました。隠密回り同心である大河内鍋之助の変装が楽しい。それと『亡き人の思い出をむきもので再現し、遺族の心をなぐさめる「おもかげ料理」』。魂を込めて作られたものは、見た者の心を動かすんですね。料理を前にした遺族が故人を偲ぶシーンは思わず涙ぐんでしまいました。2015/09/22
やんやん
7
人形をつくる兄と妹の二人には裏の顔があった。それは 隠密と遺族の心を慰める料理「おもかげ料理」を作ること。 ただなんとなくパッとしないで終わってしまった。2015/06/12
ロックイ
4
ちょっと不思議で温かなお話でした。兄磯松と妹玖未、表の顔は人形師。しかし二つの裏の顔を持つ。それは、町方の隠密仕事とおもかげ料理を作る仕事。おもかげ料理とは、遺された人々の為に亡き人を偲ぶ追膳料理。料理と言っても食べる為でなく、様々な食材を使って思い出の景色や品を再現した“見る料理”でした。とても温かな気持ちになれましたが、今一つ入り込めなかったのは、自身が愚鈍な為展開についていけなかったからですね。からくり人形が犯人を追うなんて面白そうな話だけに残念。でもどういう話なのかは掴めたので次巻は楽しめるはず。2017/02/12
nemu
3
顔立ちの整った兄妹の役を実写でやってほしいな~。2019/09/15