PHPサイエンス・ワールド新書<br> ダンゴムシに心はあるのか―新しい心の科学

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PHPサイエンス・ワールド新書
ダンゴムシに心はあるのか―新しい心の科学

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  • サイズ 新書判/ページ数 223p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784569796550
  • NDC分類 485.3
  • Cコード C0245

内容説明

「ファーブル昆虫記」にも出てくる、庭先によくいる小さくて丸くなるダンゴムシ。このダンゴムシにも「心」があると考え、行動実験を試みた若い研究者がいた。迷路実験、行き止まり実験、水包囲実験など、未知の状況と課題を与え、ついにダンゴムシから「常識」では考えられない突飛な行動を引き出すことに成功した。大脳がないダンゴムシにも心があり、道具を使う知能もあることを示唆するユニークな実験を紹介し、「心‐脳」問題に一石を投ずる。

目次

第1章 心とは何か―「心の定義」を提案する(心とは言葉である;日常的な心の概念 ほか)
第2章 ダンゴムシの実験(会社で学んだこと;ダンゴムシとの出会い ほか)
第3章 ダンゴムシ実験の動物行動学的意味(心の研究と動物行動学;動物行動学における四つの「なぜ」 ほか)
第4章 「心の科学」の新展開(心とは何であったか;知能の遍在性 ほか)

著者等紹介

森山徹[モリヤマトオル]
1969年生まれ。神戸大学理学部化学科卒業。同大学院自然科学研究科知能科学専攻博士後期課程修了。公立はこだて未来大学システム情報科学部複雑系科学科助手、助教を経て、現在、信州大学ファイバーナノテク国際若手研究者育成拠点(繊維学部応用生物学系バイオエンジニアリング課程)助教。専攻は比較認知科学、動物心理学。ダンゴムシ、オオグソクムシ、ミナミコメツキガニなどの行動実験を通し、心や意識、私とは何かを、独自の視点から明らかにしようとしている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

徒花

219
まあまあおもしろかった。科学者ではあるけれど、言葉の使い方はどちらかというと哲学者っぽさがある(日常的な心の概念とは「私の内にある何者か」のようです、など)。心の定義について、感情や行動の発露ではなく、むしろそれらが抑制された「隠れた活動部位」こそが心の実体なのではないかという論は、なかなか目新しい感じがしておもしろいし、それをダンゴムシを使った実験で解き明かしていこうというスタンスも興味深い。堅苦しく・淡白にならず、普通の人でもわかりやすく書かれているので一読の価値はある。2018/10/12

マエダ

99
実験の結果丸くなるのは反射的、元に戻るのは自律的という可能性があるのは面白い。観察対象をダンゴムシにするあたりも非常に魅力的な一冊。2016/07/06

へくとぱすかる

78
結論はダンゴムシにも「心」があることだが、安易に心の偏在をうたった本では決してない。この本の「心」のイメージは、ヒトを基準にした考えること、知能からは、おそろしく遠い。安易な「擬人化」よりも、まず何が動物の行動を発現させているか、から考察するべきだと。しかしそれが進化すると、やがてヒトのような心を生み出すこともある。ダンゴムシも僕らの仲間なんだ。2017/10/12

katsubek

50
 kindle本。「心」の定義というのは難しい。知能は論理である。で、心は情緒? 感情? ……考えてみると、「知能」を発揮するかしないかを決定するのは、「心」なのか。森山氏の言う「心」の定義に疑問を感じつつも、さて、では、心とは何か、と聞かれると、考えこまざるを得ない。様々なことを考えながら読めたという点においては、有意義であった。実験の説明が今ひとつうまくないような気もするが、内容はたいへん興味深かった。2014/01/19

うめ

28
研究者というよりも僧侶がイメージされてしまう。ストイックでだけれどもあたたかい眼差しを持つ僧侶。そういえばえんどう豆のメンデルも司祭だった。ふと、そんな事を思った。内容もとても深く面白い研究なのだろうけれども、考察よりも観察する過程の方が興味深い。語り口が優しいからか。科学は素晴らしいからこそ、ゆっくり進んでいいのかもしれない。ちなみに、ハイドーしてるダンゴムシや、丸まりきれていないダンゴムシが可愛くてならない。命は一つ一つ、違うのだなぁって。愛おしくなる。2017/05/09

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