内容説明
風見窓子。33歳。一般職の正社員として勤務する会社に不満はないし、寿退社する後輩女性を妬んでもいない。友人以上恋人未満の交際相手はいるけれど、べつに結婚したいと思っていない。しかし同居する両親からは「干支三回りが限度」と宣告されてしまう…。そんな彼女に「しないの、結婚?」と声をかけてきたやり手の女性上司、47歳で独身の有磯潮美。東京下町・三ノ輪にある潮美の実家に通い出したのをきっかけに、窓子の日常は突如として変容し、家族作りのカードのシャッフルがはじまった!社会からも東京からも家族からも危うくはぐれそうになっている三十代未婚女性の居場所探しの物語。
著者等紹介
明野照葉[アケノテルハ]
東京生まれ。東京女子大文理学部社会学科卒業。1998年「雨女」で第37回オール讀物推理小説新人賞を受賞しデビュー。2000年『輪(RINKAI)廻』で第7回松本清張賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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も
73
風見窓子33歳独身。実家暮らし、ひとり娘。事あるごとに結婚しろと両親につっつかれ、家にいても居心地悪い。だけど一人暮らしもなぁ~なんて悶々としている窓子を会社の上司がランチに誘う。それがきっかけとなって磯家一家との付き合いが始まるのだけど、全体的にすごくまったりとした空気が流れていました。その中でちゃきちゃきしている潮美の空気がとてもバランスよいです。結末は予想できたけれど、こうなったらいいなって思っていた通りになってうれしかった。窓子甘えるのうまい。2016/03/01
キラ@道北民
32
明野作品、初読み。相性の良い読友さんが読んでいたので、手に取りました。両親に結婚を急かされる窓子の、主体性のなさや打算的なところにイライラしますが、それを引っ張る潮美の粋な姿に酔いしれました。2016/03/24
スノーマン
21
前に読んだ明野作品が妙な読後感だったので、恐る恐る読んだ。こっちの方が、出てくる人たちみんなが人間臭くて断然良かった。女性が女性に惚れる、それは恋愛という意味じゃないけど、一緒にいたいと思う感覚は分かる気がする。家族トランプというタイトルも良い。誰かと家族になる、という時には、それくらいの軽やかな気持ちも必要だと思う笑笑2020/06/07
hautan
13
図書館本。何時ものサスペンス、イヤミス系じゃない明野さん。ほんわかしてていい感じ。下町の「磯家」に行ってみたくなりました。続編あれば読みたいな2022/06/26
葉芹
13
やはり明野照葉って詰めが甘い。どれもこれもある程度は面白い状況や内容なのに、心が入ってないというのか、安っぽい。これを乃南アサに書かせたら、窓子がイキイキしてきて、もっと能動的になり、親をも変えていく様を読ませてくれるだろうなあ。窓子なんていらない、潮美のストーリーでいいと思う。残念。2012/10/15
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