内容説明
日村誠司が代貸を務める阿岐本組は総勢六人というちっぽけな所帯だが、堅気に迷惑をかけず、任侠と人情を重んじる正統派ヤクザである。組長の阿岐本雄蔵が、経営難に陥った私立高校の再建を引き受けることになった。学校へ乗り込んだ日村たちが接したのは、割れたまま放置された窓ガラス、平気で煙草を吸う生徒、無気力な教師たちであった。百戦錬磨のヤクザをあぜんとさせるほど荒廃した学園を、日村たちは立て直すことができるのか―。
著者等紹介
今野敏[コンノビン]
1955年北海道生まれ。上智大学在学中の78年、問題小説新人賞を受賞してデビュー。『潜入捜査』シリーズ、『東京湾臨海署安積班』シリーズ、『ST 警視庁科学特捜班』シリーズなどが好評。また有段者である空手の描写力を生かした武道小説、ハードボイルド、伝奇小説などの分野も手がける。06年、『隠蔽捜査』で吉川英治文学新人賞、08年、『果断 隠蔽捜査2』で山本周五郎賞、日本推理作家協会賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
秋製
43
シリーズ物と知らずに読んだが、面白かった! 阿岐本組は任侠と人情を重んじる昔かたぎのやくざ。総勢6名の小さな組だけど、組長の人脈その他で広域暴力団の吸収を免れている。そんな阿岐本組の組長、阿岐本は経営の破綻した私立高校を立て直すことになった為、代貸しを務める日村のまた胃が痛くなる日々が始まった。任侠物の話だけど、さほど暴力的な描写はない。どちらかといえば、ハートフルな感じがした。「地元に愛されるやくざ」を地でいく阿岐本組はやくざなのだけど、とても魅力的だった!この前編に当たる本もぜひ読みたいです。2014/03/27
ゆずぽん
30
シリーズ第2弾今度は学校経営に乗り出す阿岐本組の面々。何も感じていないような子供達、やる気のない教師たち、無理難題を振ってくる親分に頭を抱える日村と流れは任侠書房と同じですが、「言っておくけど、ちひろのパンツは見せパンだぞ」に大笑いし、「今のガキどもの問題は躾をされていない事」にうなづきながら面白くて一気読み。遠山の金さんを見ているかのような安心感です。ラストはグッときちゃいました。きっと良い学校になっていくんだろうな♪ 2018/08/15
けい
18
面白かった〜。先に任侠病院読んで、甘粕読んで、これ読んだから、次はとせい。2015/09/21
とうころ
13
少し先が読める展開なところもあるが、面白く読めた。最後のところは少し泣きそうなところもあった。シリーズ第一弾からは読めなかったが、他のシリーズも読んでいきたい。2016/01/09
らび
12
面白かったです~ヤクザの世界って今時どこより厳しい「躾」が残っているんですね。当たり前なことがイチイチ「そう”!そうですよ!」って納得でした♪任侠もの大好き♡日村がかっこよい☆2015/09/30