内容説明
広島の原爆資料館に、なかみがまっ黒になったおべんとうが展示されています。たった一つのおべんとうに、とても悲しいお話がひめられています。それは信じられないような話ですが、事実なのです…。小学校中学年以上向。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
やすらぎ
196
しげる、もう帰らないと思ってくれ。今日が別れだ。この弁当箱を形見と思って大事に使ってくれ。利昭にいさん、体に気をつけて。しげる、もしものことがあったら、すぐに伏せるんですよ。わかってる。大丈夫。しげる、熱かったろう。しげる、水が欲しいんでしょ。とても悲しい現実の話。平穏な日常を破壊され、数多の尊い命を奪い、残った家族の心にも深く傷をおわす戦争とはなにか。母は思い出の地に紫陽花を植えたという。今も美しい花を咲かせている。年月が過ぎても絶対に忘れたくないから。ここに来ればこれからも家族のことを思い出せるから。2021/09/07
瑪瑙(サードニックス)
48
広島の原爆で犠牲になった少年の実話をもとにしたお話。原爆資料館へ行った時にこのお弁当箱は見ました。こんな事情があったのですね。辛いですね。楽しみにしていたお弁当を食べることも出来ずに何が起こったかも分からずに亡くなったのでしょう。そんな少年▪少女がたくさんいたのでしょう。2021/03/08
鈴
19
絵本版のレビューで、くららちゃんが児童書版もあると書いていたので、こちらを読んでみた。広島の原爆資料館に展示されている真っ黒なお弁当、それは原爆で亡くなった中学1年生の少年のものだそうだ。母親だからこそ、自分の息子が簡単に死ぬわけないと思っていただろうし、亡骸を見つけたときのショックは計り知れない。朝から喜んで持っていったお弁当が、少年を見つける手がかりになったとは、あまりにも残酷である。2012/08/18
ヒラP@ehon.gohon
11
言いようのない重みに圧倒されてしまいました。 戦争に夫も長男も取られて、残った次男はあの広島原爆で死んでしまいます。 あの日広島に出かけなければ、もう少し早く戦争が終わっていてくれたら一緒に暮らしていた息子です。 母親は息子を探しに行った広島で、多くの死体の中から、自分の息子の骨を発見しました。 そうして、まだ息子食べないでいたお弁当が弁当箱の中でまっ黒になっているのを見るのです。 母親が持ち帰った遺骨を埋め、その上に飢えた紫陽花。 毎年健気に咲くだけに、戦争に対する思いはなくなることはありません。 2010/10/22
ツキノ
9
絵本を先に読んだところ、さらにその前(1989年)に出版されたのがこの本。勤める図書館の書庫で発見。原爆資料館の出口のところに木箱に入れられて展示されている、なかみがまっ黒になったおべんとうは、広島県立第二中学校一年生の折免滋(おりめん しげる)くんのもの…滋くんとその家族の思い出を母のしげこさんが語る、というおはなし。創作部分はあるそうだけれど、ほんとうにあったこと…2013/04/27
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