内容説明
等活地獄、黒縄地獄、叫喚地獄、阿鼻地獄…。古来、日本人はなにを恐れ、なにに救いを求めてきたのか。六道を輪廻する人々の恐れと救いの絵巻を読む。
目次
総論 地獄―絶望と救い
1章 閻魔王庁で裁かれる人々
2章 地獄道の恐怖と苦しみ
3章 餓鬼道の飢えと渇き
4章 畜生道の救いなき日常
5章 修羅道の永遠の闘争
6章 人道の苦しみと無常
7章 天道の喜びと五衰
8章 念仏功徳に託した願い
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
コージー
17
六道についてはかなり詳しく書かれている。昔の人は本当にすごいことを考えたものだとおもう。絵が多く、わかりやすかった。2013/11/10
姉勤
11
掛け軸として掲げ説法や絵解きに使われた地獄絵。現世の犯した罪に寄り、考えうる限りの苦痛を永遠に等しい時間死後に受ける、地獄。 犯罪抑制や仏教の帰依への目的というよりは、疫病・戦乱・飢餓が当たり前だった中世以前に、現世より過酷で残酷なトラウマを残し逆に人々が恐慌に陥らないための処方箋だったのかもしれない。 本書は地獄図のほか、六道絵(地獄道、餓鬼道、畜生道、修羅道、人間道、天道)も載せ、九相図(美人が死後肉体が朽ちていく様)や長寿で幸福のみが存在する天道も、寿命が来れば衰える(天人五衰)という無常観を説く。2014/01/05
m
9
興味本位で図書館から借りてきたものの、読み終わるのに一ヶ月かかった。絵が恐ろしく、とても一度に読めるものではない。個人的には閲覧注意レベル(笑)人々を戒め改心させるためのものだから当たり前か。フルカラーで拡大されているのでとてもわかりやすい。悪いことはするもんじゃないというのがわかる一冊。2015/03/20
66 (Audible オーディブル毎日聴いてます)
8
「ぶらぶら美術・博物館」#Bura_Bi の「地獄絵ワンダーランド」展の回が面白くて、本を借りて復習。よく考えるなあ。そして、それを絵に描くんだから昔の人ってすごい。蛆虫が綺麗に放射線状に並んでたり、芸も細かいし。一番印象に残ったのは衆合地獄の刀葉樹。刀や剃刀のような鋭い葉が茂って、よじ登ると血みどろとか。。なんだかもう。図書館本 2017/09/22
ふな
8
地獄を創造した人の想像力というのが恐ろしいと思う。よくもこれだけ残酷な阿責を思いつくものだと。この時代、人はたやすく死に、世界は苦しみに満ち満ちていた。「地獄というならこの世は地獄そのもの。」2014/03/18
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