新人物ブックス
読みくらべ日本の神話―神々の異聞録

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  • サイズ B6判/ページ数 191p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784404039613
  • NDC分類 164.1
  • Cコード C0021

内容説明

多神教は、一神教と比べると価値が多様でいい意味であいまいといえる。そんなあいまいな宗教をもつ日本人は、国の起源を伝える「神話」をもあいまいなまま編纂した。それぞれの土地に伝わる伝承を無理やり切り捨てることなく、なんとか取り入れ、省き、ひとつの神話に集約しようとした努力のあとがありありとみえる。ストーリーを入れ替え、一柱の神にさまざまな異なる名前と異なる性格を与え、同じ名前の神の性格を変え…矛盾と齟齬に満ちた筋書きを、残された文献からどう読みとればいいのか。日本神話の諸相を探る。

目次

序章 そもそも、日本神話とはなにか
第1章 天地初発の神々
第2章 イザナキとイザナミ
第3章 アマテラスとスサノオ
第4章 ヤマタノオロチとクシイナダ姫
第5章 オオクニヌシ
第6章 ホノニニギ
第7章 サクヤ姫とトヨタマ姫

著者等紹介

稲田智宏[イナダトモヒロ]
1965年長崎県生まれ。慶應義塾大学文学部哲学科倫理学専攻。國學院大學大学院文学研究科神道学専攻博士課程後期満期単位取得。神道思想や日本神話を中心とした日本文化に関する研究と執筆活動を行う(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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Tadashi_N

17
原本がなくなっているので正解はないが、記紀の差異が興味深い。2022/01/09

うえ

6
「天つ神にも国つ神にも同じか類似の名を持つ神がいる…それぞれ異なる神だと判断されるけれども、しかし本当にそうか…古代社会から伝えられた不可思議な話を読んで楽しむというだけならいいが、単なる空想でもなければ歴史でもない神話の扱いに思い悩むような人間もいる…かつて國學院大學で神道神学を担当した小野祖教氏は、神話が神学的に取り上げられないことの理由を問われたとき、「神話は怖いからね」と答えたという(上田賢治『記紀神話の神学』)。学問的に神話をどう扱うか考えるべき立場の人間でさえ、場合によっては敬遠していた」2020/03/29

ラグエル

5
記紀にあって日本神話として有名な話が、意外と片方に載ってなかったり、解釈が根拠がなかったりとかする。分かりやすく表をつけるなどの工夫が欲しいところ。「古事記よりあまり知られていない日本書紀の神話がどのようなものであったか」を示したいというなら、尚更。そうそう、オオゲツヒメのゲとウケヒノカミのウケ、食べ物という同じ意味だと知った。殺されて食べ物になった系(ハイヌウェレ型)の名前の共通点を教わった。ウカノミタマのウカもだそうだ。ウカノミタマはお稲荷さんだから、か。2011/08/04

kaigarayama

1
記紀だけではなく、風土記逸文など他の史料も用いて比較し、元々どういうかたちの神話であったのか、できる限り復元しているのはおもしろい。続編があれば読みたい。2011/05/18

よみびとしらず

0
原本は散逸し、残っているのは原始コピー(手書きの書き写し)のみ。そのため資料から疑う必要があるという。原始コピーの中にあるという「一書」も個々のエピソードも、本当に原本に記載があったかはわからない。政治的思想的都合による捏造、勘違いによる曲解、単なる誤字脱字は後世いくらでも起こりうる。天孫降臨の高御産巣日神(高木神)の存在は蘇我氏や藤原氏を連想。2017/09/27

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