内容説明
ギャラリストの和楽は、仕事先で強烈に引きつけられる一連の絵に出逢う。作者の情報を得られないまま焦がれること二ヵ月、邂逅の瞬間は突然訪れた。彼―足往群は配送の仕事のかたわら、誰に見せるあてもない絵を描き続けていた。群を手元に引き取って自由に描かせ、才能を世に広める手助けがしたいと願う和楽だが、不審がられ受け入れてもらえない。そんな群に和楽は、対価を払ってみるかと取引を持ちかけ…?
著者等紹介
一穂ミチ[イチホミチ]
小説家。主な作品に「雪よ林檎の香のごとく」「イエスかノーか半分か」(ともに新書館)がある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
黎明卿:新しきtakahiro
139
【ふたりのアンティミテは、いつまでも未完成のまま】エロス度★★★群×和楽♡〝ひつじの鍵〟のスピンオフ作品で、才能を埋没させていた天才画家とギャラリストの恋。絵のお話を盛り込んだ繊細かつ芸術的な調べ、性急でなく画家とギャラリストの仕事の立場を超えてゆっくりと育まれていく恋がとても良かったです。結構順調に進むなぁと思ったら、思わぬところに落とし穴があってハラハラさせられましたが、基本的に和楽に懐っこい群が可愛くてほっこり♡〝出ないのにいきそうだから怖い〟って言う濡場の和楽のエロ可愛さは天下一品♡2019/08/14
はつばあば
47
絵が描けるだけで尊敬に値する。私も豆腐みたいに遺伝子組み換え操作してもらっていたならデッサンでつまづく事なかったろうに(^^;。また画商って言うのも相当儲かるものなんですね(#^^#)。会話などにでてくるのがハイソサエティ世間には自称絵描きさんもいらっしゃいますが中々世の中に認められない人が多いなか、和楽が高校で見つけた二枚の絵。宅配の仕事しながら絵を描くその青年を見つけ絵に専念させていくスポンサー通り越してお互いがアンティミテに変化していくのがいい。この方のBLもふんわりとしていますのでお勧めです2020/07/19
マシュ
21
『ひつじの鍵』のスピンオフ。羊に一緒にペンションバイトして真っすぐ告白してきたあの同級生・和楽の12,3年後のお話。画廊を経営している和楽。画家との対談で訪れた高校で2枚の絵に惹かれ、その絵を描いた元生徒・群と出会い、若い才能を育てるという名目でギャラリーに群を住まわせるようになってから、じわりじわりと育んでいくお話。今回は、出会ってすぐ絵を集中して描いてもらうためのやり取りで、和楽が群のアソコに手を出しちゃって、さすがいそれは無理矢理すぎるだろと突っ込む(笑)セフレも聞き分け良すぎる。あっさり読了。2019/11/28
フキノトウ
19
新人の画家郡×ギャラリスト和楽。全体的には面白かったけれど、盛り上がりに欠けるような気がしました。2021/02/16
chie-don
18
「絵も音楽も、表現は孤独の産物なのに他者を必要とする矛盾。見る者の五感に訴えかけて響いた時、国も時代も関係ないコミュニケーションが生まれる。誰かの目に触れて初めて作品は完成する(趣意)」時々なるほどぉ、と思う表現に出会ったりする(・∀・)絵の才能を秘めた青年・群と、その絵に強烈に引きつけられ、才能を世に広める手助けがしたいギャラリスト・和楽の紆余曲折。【アンティミテ:親密さ】(イラスト悪くないけど、ちょっと雰囲気とあわないような…。)2019/08/14