内容説明
両親、そして財産を失い、先祖代々の居城を手放すことになったパウル。ところが、契約書にサインを済ませたとき、売却先である日本のホテルチェーンから来た牟田は、かすかな笑みを浮かべて告げたのだ。「あなたも込みで買ったのですよ」と。男の傲岸さに最初は反発を覚えたものの、無表情ながら冷血漢ではない牟田と徐々に心の距離が近づいてゆき…。
著者等紹介
いつき朔夜[イツキサクヤ]
福岡県出身。「コンティニュー?」で第12回ディアプラス・チャレンジスクール奨励賞受賞、同作品にてデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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うにすけ
14
再読。やっぱりこの雰囲気は好き~~~私の好きな要素てんこ盛り。ドイツのお城いいなぁ~~!2016/06/11
うにすけ
14
たぶん読むのは二作目の作家さん。外国作品っぽい雰囲気があって好きです。牟田さんが頭の硬いビジネスライクな人なのかな~と思ってたらだんだん甘い雰囲気に。これはキュンときました。ハンナさんとの台所でのやり取りは可愛かったし。ドイツのお城…いいなぁ2015/03/17
みずほ
12
評価 小説★★★★☆ 挿絵★★★★☆ ドイツの古城、王子様のような貴族の城主、老執事、肝っ玉母さんのような家政婦・・・舞台設定も役者も申し分ない。攻が征服者というより初めから紳士で、貴族の受に礼を尽くして接しているのが好感度大。民族性や宗教観の違いもスルーせず、ドイツの情景描写も丁寧で、作者の誠実な作品作りには感心させられる。外国人の目に映し出された日本の文化や日本人の描写も楽しい2009/10/01
yumi-asg
10
【パウル・フォン・ヒルシュヴァルト(24)牟田慎一郎(30)/金ひかる】現地に居留されていたという文章は生活、自然、宗教までもが余す処なく書かれ、そのリアリティさが深みを増す。古城「ゴルトホルン」をめぐるビジネスライクな筋も二人の心の在り様が清らかで柔らかく熱いが故に愛しい物で満たされてしまう。パウルの柔軟な聡明さ素直な心、強く寛容な牟田のパウルに見せる弱さのギャップ、ヘルムート・薬師寺の終わりなき戦いぶり大らかなハンナとどの人物も全く嫌味なく在るのが凄い。締めの一文でさえ綺麗に纏めてもう最高に良かった!2009/07/13
りんご☆
9
読了2016/08/02
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- 電子書籍
- 週刊ダイヤモンド 19年3月30日号 …