絵画と現代思想

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  • サイズ A5判/ページ数 190p/高さ 22cm
  • 商品コード 9784403120145
  • NDC分類 720.1
  • Cコード C0010

内容説明

ゴッホの“靴”は、ハイデガー、シャピロ、デリダ、フーコーらによって論じられた―解説される絵画が逆に照らし出す現代思想の機微。

目次

序 絵画を飛翔する思想家たち
第1章 夜明けの漂流車―レオナルドとニーチェ
第2章 死の遠近法―ホルバインとフロイト
第3章 啓蒙の闇―ゴヤとバタイユ
第4章 西欧の自己解体―ゴッホとフーコー
第5章 世界大戦の幾何学―カンディンスキーとコジェーヴ
第6章 思想は軽さにおいて絵画に出会う―トゥオンブリとバルト

著者等紹介

酒井健[サカイタケシ]
1954年東京生まれ。東京大学文学部仏文科卒業後、同大学大学院へ進学。1983~87、89~90年、パリ大学に留学。1986年、同大学よりバタイユ論で博士号取得。電気通信大学助教授を経て、現在、法政大学文学部教授。バタイユの思想を中心に研究を進めてきたが、西洋の文化史に関心を拡げつつある
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

たばかる

15
絵画(ゴッホ、ホルバイン、ゴヤ等)の内容とともに、それを解釈する知識人たちの思想について取り上げる。章によって絵画-思想の論の比重が変わる、時折筆者の解釈が並列的に出てくるという点を除けば、画期的な図像解釈学の書といえる。一例➡︎<洗礼者ヨハネ>について同時代のフランス人が、両性具有的な身体の完成への飽くなき欲望と評するのに対し、ニーチェは超西洋•内的な東洋の存在を見たといって、キリスト教をデガダンスとして切り捨てる。ここでニーチェの思考の深さを強調するのだが、ダヴィンチの根が提示されない以上行き詰まる。2019/06/14

袖崎いたる

9
現代思想の意味不明さの根拠として、感性(理性からの遷都!)を軸にした論理ゆえ、と答えることができる。それゆえ挑戦者たちには感性の彫琢が課されている。これはしかし単に感性偏重というのでもない。理性的な思弁を折り返した思考としての、最近のラノベの物語潮流でいう所の異世界転生的なノリだ。もちろん異世界とは外部のことで、思考の限界線を越えた思考、外の思考である。そこではいわばクトゥルフの如き不気味な物に満ちている。ニーチェ的狂気、バタイユ的他者。絵画はそうした限界を曖昧化する非意味的形象。白眉はその関係性の軽さ。2017/07/29

Kei Kat

2
6人の芸術家と6人の思想家。とかく難解な文体が多い哲学者に関連する本の中で、本書はわかりやすい言葉で書かれている。カンデンスキーとコジェーブが甥叔父の仲とははじめて知った。カンデンスキーの作品では後期の幾何学的抽象画の方が魅力あるという著者の意見は私も同意!2015/01/06

///

1
人間中心的な西欧の近代主義が絵画にもたらした影響、そしてそれを相対化することへの関心が深まった。2013/05/27

louzoso

0
ゴッホとトゥオンブリのところよかった。2022/05/25

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