内容説明
生成と展開が示すバルト神学の核心。初期の『ローマ書』における逆説的キリスト論から後期の「和解論」における新たなキリスト論の構想に至る、巨大な神学的転換の理路を精密に解明すると共に、バルトが果たし得なかった新たなキリスト教倫理をも遠望する労作。「旅人の神学」としてのバルト神学。
目次
第1部 「逆説」としての神の啓示の出来事―「逆説のキリスト論」の射程(「弁証法神学」の始まり―「逆説のキリスト論」の場所設定;「瞬間」と「逆説」―初期バルト神学の「危機=モチーフ」における「逆説のキリスト論」)
第2部 バルト神学の転換―「逆説のキリスト論」の限界(「逆説のキリスト論」の後退―『ロマ書』第二版から『教会教義学』へ;イエス・キリストにおいて自らを啓示する神―バルトの「啓示」理解)
第3部 神と人間の和解の歴史としてのイエス・キリスト―新しいキリスト論の構想(「主」と「僕」としてのイエス・キリスト―バルトの和解論(1)
「神人」イエス・キリストにおける神と人間―バルトの和解論(2))
おわりに―回顧と展望
付論 キェルケゴールとバルト
著者等紹介
八谷俊久[ハチヤトシヒサ]
1959年生まれ。1984年関西学院大学神学部にて修士課程を修了。2005年、ドイツ・フランクフルト大学第06学部(プロテスタント神学)にて神学博士(Dr.theol)を取得。アメリカ・セントオラフ大学客員研究員を経て、2010年より日本基督教団岡山信愛教会の牧師。学会:日本ボンヘッファー研究会、岡山大学哲学会(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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