出版社内容情報
たとえ話研究の金字塔的名著が新訳で甦る。
イエスは民衆や敵対者にたとえ話を通して福音を語り、応答を迫った。しかし初代教会は、たとえ話の聴衆をキリスト者共同体に変更し、寓喩的解釈を施すなどしたため、イエスの本来の意図からの逸脱が生じた。
著者は卓越した語学力と分析力、またパレスチナの文化風土に関する該博な知識に基づいて、イエス本来の意図に迫り、解明した。
本書は『イエスのたとえ話』の学術版から純粋に言語的な資料や注を割愛し、一般読者にも研究の核心を伝えるべく編まれた普及版の全訳である。底本は最新の改訂が反映された英語普及版。
1 解かねばならない難題
2 原始教会からイエスへの回帰
3 イエスがたとえ話で伝えようとしたメッセージ
4 結語
ヨアヒム・エレミアス[ヨアヒム エレミアス]
著・文・その他
南條俊二[ナンジョウ シュンジ]
翻訳
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
amanon
3
知人に紹介されて読んでみたのだけれど、いささか期待外れというのが正直なところ。イエスのたとえ話を当時の情況に即して読み解いていくというのは、確かに大切で、そこから新たな事実が浮かび上がってくるのは確かだが、その事実に今一つ新味を覚えないというか…同じエピソードの各福音書での異同の分析も重箱の隅をつついている感が否めず。それに加えて一般にはあまり知られていないトマスの福音書まで持ち出すのはいかがなものか?こういう実証主義的な聖書研究ももちろん必要だが、もう少し神学的なテーマにそって書かれていれば…と思う。2019/10/03
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