内容説明
才能のかけらもない素人娘を天才歌姫に仕立て上げ、前代未聞の熱狂を巻き起こす―代表が金を持ち逃げし、消滅した『劇団ゆうまぐれ』。自暴自棄の劇団員たちは、舞台の脚本をリアルな世界で実行して、金儲けを企んだ。船橋駅前で歌っていた女の子をスカウトし、天才シンガー“姫花”を売り出すフェイクプロジェクトが始動する。音楽担当の亮太は素人娘を天才に見せかける作業に苦心していたが、最初の路上ライブで彼女が見せたパフォーマンスに言葉を失った―。船橋から香港へ、姫花はスターの階段を昇っていくが…。
著者等紹介
原宏一[ハラコウイチ]
1954年生まれ。コピーライターを経て『かつどん協議会』で作家に。奇想天外な設定の中に風刺とユーモアがきいた作品を多く発表し、『床下仙人』(祥伝社文庫)が2007年啓文堂書店おすすめ文庫大賞に選ばれブレイク。近年は食小説など様々なジャンルに注力、好評を博す(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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machi☺︎︎゛
142
代表が金を持ち逃げし消滅した劇団ゆうまぐれ。やるはずだった脚本ができなくなり自暴自棄気味になった劇団員達が、それを現実世界でフェイクプロジェクトとしてやっちゃう話。色々と無理のあるところも原宏一さんの独特な世界観に引き込まれ一気読み。猪俣翁の存在が良かった!!姫はうたかたの如く消えちゃったけどもっと確かなものを手に入れたから幸せなんだろう2020/03/11
あも
94
カジがクズ過ぎる件について語り尽くしたいが字数が足りない確実に足りない。主催者が金を持ち逃げし、進退窮まった素人劇団の一発逆転のアイデアは、歌姫を作り出すという脚本を現実に実行すること。コミュ障の女をディーヴァに仕立て上げるため奮闘する面々(というか、ほぼほぼ主人公の亮太だけが頑張る)。良くも悪くも誤算を繰り返しながら話は転がっていく。冒頭に触れたカジを筆頭にガチクズ含有率多めだが、上がって下がって下がって下がって…ジェットコースターのような展開の面白さがある。到着点は上か下か?それは自分自身の目で是非。2020/03/16
紫綺
87
劇団から音楽詐欺集団へ?何だか変な話…という感じで始まる音楽物語。そんなうまい話は無いだろ、と思いながらも惹き込まれる。テンポよくノリがいい‼曲者の猪俣翁がいい味出してる。面白かった♪2020/01/17
キンモクセイ
62
亮太は音楽を担当していた小劇団がなくなってしまった。代表が現金を持ち逃げしてしまったらしい。残されたのは看板役者のカジと役者兼脚本担当の楓子と亮太。そこで考えたのが楓子の脚本を実際にフェイクの天才歌姫の姫花を作りだして一儲けしようとカジが提案した。冗談かと思ったらリアル姫花を連れて来た。姫とはちょっと違うようなワカメちゃんヘアの下膨れの女の子。歌い出したら、人の心の中に染み入る歌声だ。賛同してくれた猪俣翁と亮太と姫花で東北行脚。瞬く間に有名になっていく。作られた歌姫だが、姫花は本物だった。2020/11/18
雅
54
歌姫を作り上げるフェイクプロジェクト。盛り上がっては止まりを繰り返す。先が気になって読む手が止まらず一気読み。嫌なヤツもいっぱい出てくるけど温かい出来事もたくさん。ほわほわなラストに満足2019/12/07
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