出版社内容情報
笹本稜平[]
著・文・その他
内容説明
ヒマラヤ屈指の難関ローツェ南壁の冬季単独登攀を達成した奈良原和志は、スポンサー企業の技術者柏田を伴っての登山で落石事故に遭遇。柏田は死亡、自身も大怪我を負う。誹謗中傷に打ちのめされる和志。そんな折、癌で余命いくばくもない和志の師磯村は、あえてK2の冬季単独登攀を勧める。哀惜と希望を背に、和志は八〇〇〇メートル超のデスゾーンに挑むのだが…。
著者等紹介
笹本稜平[ササモトリョウヘイ]
1951年、千葉県生まれ。立教大学卒。出版社勤務を経て、2001年『時の渚』で第十八回サントリーミステリー大賞と読者賞をダブル受賞。04年『太平洋の薔薇』で第六回大藪春彦賞を受賞。ミステリーをはじめ警察小説、山岳小説の名手として絶大な人気を誇る。21年惜しまれつつも逝去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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サンダーバード@永遠の若者協会・怪鳥
64
(2023-4)ローツェ南壁の冬季単独登攀を成し遂げた登山家奈良原の次なる目標は世界第二位の高峰K2。同僚の若き技術者を登山中に亡くすという事故と誹謗中傷に打ちのめされながらも8000m超のデスゾーンに挑戦する。夏の3000m級の尾根歩きしか経験の無い私にとっては、穂高の滝谷を「軽い練習」に登る彼らのレベルは想像さえつかない世界だ。次はいよいよ最難関のマカルー西壁。笹本氏の熱い山岳小説がこれ以上読めなくなるのは寂しい。★★★★2023/01/21
micky
11
ソロシリーズ2作目、本作は一部やや描写がくどすぎる部分もあったが、登攀シーン多く、従来の同氏山岳小説として楽しく読み進めることができた。2024/05/07
ゆう
4
序盤からパートナー柏田くんの死から始まり不安だらけだったが、柏田くんの思いが形になり冬のK2ソロに導く。冬のK2の厳しさ、たくさんの人たちの思いを背負い無事に還ること、常に死と隣合わせで緊張の連続で、読み終わるとホッとする。磯村さんの体調が前作から気になっていたが、今作でも元気でいてくれたことが嬉しかった。他の方のレビューで知りましたが、作者さんが亡くなってらしゃるとのことで、今後読めないのがとても残念です。。次はマカルー西壁!!2023/01/17
あきぴー@武蔵国
3
ソロシリーズの第二段です。 K2の冬季登頂が成功する前に書かれた小説です。まだ、冬季単独登頂は実現されていないですが、本作と同じように何れ実現されるのでしょうね。 ただ、初めて読んだ笹本稜平の『天空への回廊』程の感動はありませんでした。 評価:★★★★☆ p.s. 笹本稜平さんのご冥福をお祈りします。2022/09/12
mari
1
5/10点2023/09/03