出版社内容情報
心あたたまる江戸人情料理帖、開幕
母一人、子一人。かじかむ心をほっこり包む、美人女将のおもてなし!
「この子を預かっていただきたいのです」冬の夜、日本橋本船町の料理屋〈梅乃〉に女が現われて告げた。連れていたのは僅か二歳の男の子。三年後、齢二十六の女将冬花は、引き取った子の鮎太を自らの手で育て、平穏に暮らしていた。ところが、冬花が出前を届けたその日に弁当を食べた役者が舞台上で血を吐いて倒れたことから、毒を盛った疑いが〈梅乃〉にかけられ……。
内容説明
「この子を預かっていただきたいのです」冬の夜、日本橋本船町の料理屋“梅乃”に女が現われて告げた。連れていたのは僅か二歳の男の子。三年後、齢二十六の女将冬花は、引き取った子の鮎太を自らの手で育て、平穏に暮らしていた。ところが、冬花が出前を届けたその日に弁当を食べた役者が舞台上で血を吐いて倒れたことから、毒を盛った疑いが“梅乃”にかけられ…。
著者等紹介
有馬美季子[アリマミキコ]
1969年生まれ。慶應義塾大学仏文科卒業。2016年『縄のれん福寿 細腕お園美味草紙』で時代小説を志し、心あたたまる料理描写で多くの読者を魅了した。2021年、料理屋を切り盛りする女三代を描いた「はないちもんめ」(現在七作品)で、第十回日本歴史時代作家協会賞“シリーズ賞”を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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タイ子
77
日本橋の料理屋「梅野」の女将・冬花には鮎太という息子が一人。鮎太は実はある大名家のご落胤。お家騒動に巻き込まれそうになり、腰元が連れて逃げて辿り着いたのが冬花の店。彼女に預けて腰元は何処かへ。それから3年、息子は実母と信じて疑わず、母はいつかの別れを胸に暮らす日々。そこに不審な事件の匂いが…。元同心に胸を焦がす冬花、元同心の息子が寄せる冬花への気持ち。三者三様の胸の内が微笑ましいやら、うっとおしいやら(笑)。終盤の鮎太との別れの朝、切なくて涙がホロリ。と、零れそうになって止まった。だろうね、良かった。2022/05/05
たんぽぽ
22
短編がいくつかあるのかな?と思ったら、何も解決しないまま話は前へと進んでいく。 最後にみんな回収されて解決、めでたし、めでたし。 うまく行きすぎの感もあるが、まあこれはこれでいいか。 鮎太がかわいい。2022/02/04
ドナルド@灯れ松明の火
21
有馬さんは美人女将と同心の組み合わせが好きなのかな。 謎解きをするためのセットとも言える。預かった子供はどうなるのかな。2022/06/08
デジ姫
16
冬花の謎解きが多すぎて面白みに欠ける。今まで時代小説で親子以上年の離れた男性との恋愛は初めて読んだせいか冬花のプラトニックラブちょっと気持ち悪かった。2022/02/17
ダイアナ
8
日本橋の料理屋「梅乃」の女将冬花が突然預かることになった二歳の男の子、鮎太。鮎太の出生の秘密、そして冬花自身も記憶を無くして先代の女将に育てられた身。そんな冬花の元に人気役者に弁当を届けて欲しいという依頼がくるが、その弁当を食べた役者が血を吐いて倒れてしまう。他にも女に無理やりお酒を飲ませる侍が出てくる事件が起こったり、色んな事件や設定てんこ盛りでちょっとん??と思ったりしたけれど、相変わらず料理は美味しそう。2021/12/22
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