内容説明
「行き遅れの年増だ」滝沢馬琴の言葉が、読売書き・お吉の心に突き刺さる。両親亡き後女手ひとつで弟妹を育て上げたことは誇りだったが、人並みの幸せを求める自分もいた。そんな折、老人が集まりぴんぴんころりを祈る寺の存在を知る。取材を重ねるうちに、寺に通っていた踊りの師匠が突然命を落とす。心の臓が弱っていたという診立てに不審を抱き、事情を探ると…。
著者等紹介
五十嵐佳子[イガラシケイコ]
山形県生まれ。女性誌を中心にライターとして活動。その後小説にも活躍の場を広げる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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真理そら
55
当分草餅もうぐいす餅も食べたくないと思う読者である。あれこれうまくまとまりすぎたのでこれで完結なのかなあと少し不安。2020/11/14
kagetrasama-aoi(葵・橘)
35
「結びの甘芋」読売屋お吉甘味とぉんと帖 第四巻。お吉が有名人の好きな甘味のことを読売に書くのが話の肝だったはずが、事件を追いかける話になってきました。でもこれはこれで面白いからO.K.です。文化部の甘味担当だったのに、社会部の記者になったって感じです(笑)。今巻の悪役は結局のところ生死不明だし、妙恵尼はまだ謎めいているし。真二郎との将来も気になるところです。お吉が美味しそうに甘味を食べる描写がとっても幸せそうで、読んでいて癒されます。続きを書いて戴きたいシリーズです。2023/11/20
ごへいもち
14
この程度の稼ぎでお菓子をいろいろ買えるのがおかしい気がする。どの人物にもあまり共感できず。楽しめなかった2023/07/18
りょう
7
読売屋、お吉のシリーズの3巻。なんだか、進まなくて時間がかかっちゃいました。お吉は、無事見習いがとれ、おすみちゃんも少しずつ仕事をするようになり、いい人もできて、まるっと完結!2021/04/16
Nobuko
6
ぴんぴんころりを祈る寺に詰めかける老人達。本当に大店の旦那さんや女将さんが突然逝ってしまう。よく考えればその後、店には押し込み強盗が…。僧侶の振りをして草餅に毒を混ぜ、人の命を奪ってしまう。酷い話ではあるが、その出自に気の毒なことがある分、お吉はなかなか読売に書けない。お菓子の話より、捕物帳的な仕事が増えてきた様だ。人相見もする尼僧・妙恵の法外な喜捨の謎もそのまま。進展は絵師の真二郎に求婚され、書き手としても「見習い」が取れたこと。真二郎と夫婦になっても読売屋を続けるのかしら?これで終わりなら残念過ぎる。2024/07/10