内容説明
師走雪の夜、元松前奉行配下の旗本が射殺された。銃は西洋製で、賊はえぞ地での遺恨を口にしたという。北町同心・渋井が捜査を開始した同じ頃、渡り用人・唐木市兵衛は元老中・奥平純明から、碧眼美麗な側室・お露と二人の子の警護役に雇われる。やがて純明が破綻したえぞ地開発の推進者だったことが判明、屯田兵として入植した八王子千人同心の悲劇が浮上する…。
著者等紹介
辻堂魁[ツジドウカイ]
1948年、高知県生まれ。早稲田大学文学部卒業後、出版社に勤務。その後退職して本格的に執筆業に入る。迫真の剣戟と江戸情緒溢れる人の絆を描く作風には定評がある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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藤枝梅安
80
蝦夷での遺恨を江戸で晴らすべく乗り込んできた暗殺団。元老中の奥平家にやとわれた市兵衛は大殿と若様の警護を任ぜられる。選抜試験の御前試合と後半の暗殺団との戦いは迫力がある。算盤が登場しないのがやや寂しい。大殿の側室の出自をめぐり、まだまだ市兵衛と渋井の探索は続く。2017/02/18
のびすけ
43
今回の市兵衛の仕事は、大名・奥平家の見廻り役。物語の背景となる八王子千人同心のえぞ地入植の顛末と、材木商竹村屋によるロシア相手の抜け荷。鬼しぶは旗本の射殺事件を追い、片岡信正は八王子千人同心による幕閣への復讐の真偽を探る。奥平家の大殿を襲った賊と市兵衛の大立ち回りが圧巻!奥平の側室で青い瞳と栗色の髪を持つお露がこの先の物語の鍵を握っているのだろうか?市兵衛の活躍はまだまだこれから。下巻へ。2021/01/13
はにこ
39
蝦夷地でのロシア兵との戦いから始まった。初めは市兵衛も出てこず、??っとなった。今回の市兵衛は元老中の大名家で家族の警護。蝦夷地に関係あったもの達が命を狙われる。いつもは圧倒的に市兵衛を応援しているが、今回は八王子千人同心が不憫で同情をしてしまう。下巻にいきます。2020/09/23
ひさか
26
2013年6月祥伝社文庫刊。シリーズ9作目。蝦夷開墾の恨みに巻き込まれる市兵衛。下巻は、どんな展開になるのだろう。気になります。2018/06/18
み
26
さくさくと♪今作は最初から剣の市兵衛さん。カッコいい(^.^)下巻に進みます。蝦夷開拓って想像すらしたくないなぁ。2015/11/13