内容説明
「三つ星レストラン」が3店「世界ベスト10レストラン」が2店―いま、世界中が注目する街。観光資源のない街が、たった10年で変われた理由。新しい食の運動「ヌエバ・コッシーナ」とは?―。
目次
第1部 なぜスペインに観光客が集まるのか?―徹底した「地域分権」という戦略(「世界一の美食の街」サン・セバスチャンとは;スペインはなぜ観光で大成功を収めているのか?;独自の文化を誇る謎の民族「バスク」とは)
第2部 サン・セバスチャンはなぜ美食世界一の街になれたのか(世界一の料理となった「ヌエバ・コッシーナ」とは;サン・セバスチャンの食文化;料理を「知的財産」にする;サン・セバスチャンの成功から日本が学ぶべきこと)
著者等紹介
高城剛[タカシロツヨシ]
1964年東京生まれ。日大芸術学部在学中に「東京国際ビデオビエンナーレ」グランプリ受賞。コミュニケーション戦略と次世代テクノロジーを専門に、メディアを超えて活動。近年はDJとしても国際的に活躍。総務省情報通信審議会専門委員などを歴任(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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アキ
106
記念すべき読書メーター4001冊目。さっき4000冊過ぎてたことに気づいた。著者は元沢尻エリカの夫だった高城剛。2012年発行の新書なので、日本のインバウンドがここまで進むとは想定出来なかったであろう。ほぼサン・セバスチャンの街がどうやって世界一の美食の街になったかを伝えるワンテーマの内容。スペインでも治安がとても良い街だと言われているし、レアル・ソシエダには久保建英もいるし、ピンチョス・バルも豊富なので、チャコリを飲みながら、サッカーを楽しめそう。バスクの料理はバスクチーズケーキしか知らんけど。2024/04/22
つねじろう
50
スペインの片田舎が世界一の美食の街になった。そんなお伽話のような現実の話。料理を産業としてその地方の特産物を活かし観光資源とする戦略。ヌエバ・コッシーナ、世界を知り己を知る。まるで孫子のの兵法。エルブリを産み、世界の頂点を目指して料理人が集う町サンセバスチャン。外に出て行かない、インバウンドだけ狙う。この戦略を日本の地方都市は学ぶべきだと思う。日本の食材は安全でもっと美味しい。そうすればTPPも怖くはない。最近、地方で仕事をする時紹介している本です。著者は色々話題の人でしたが中味は至極まっとうです。2014/04/26
マッキー
18
レシピを公開して互いに教え合うオープンソース化、国をあげての料理学校の設立など先進的な取り組みが書かれている。面白いし日本も学ぶところはあるのではないかと思う。2019/06/02
メタボン
18
☆☆☆☆ タパス、ピンチョス、食べたい、サン・セバスチャン、行きたい。日本の幕の内弁当と感性が似ているのか。世界中の美味しいものを貪欲に取り入れていく姿勢がすごくいい。それにしても分子料理とはどんなものなのか?未知なる食の領域。2015/08/08
ろくせい@やまもとかねよし
16
バスク自治区の論説。近代スペインでの君主制から民主制移行で起きた内戦、民主的軍事政権の樹立、そしてフランコ将軍亡きあと、国王制を復古させた立憲君主制とした民主制再構築を紹介する。その中、軍事政権時代に設立したバスク独立を目指すバスク祖国と自由(ETA)のテロ行為も紹介する。ETAは、スペインの原型となる中世のアンゴラ、カタルーニャ、カスティーリャ間の摩擦まで遡るのだろう。現代バスタ自治区ではフランス料理、イタリア料理、日本料理の順にブームが起こり、今はスペイン料理に回帰。多文化を吸収したスペインらしい。2017/07/01