内容説明
日本人は「押しが弱い」。なぜこうも弱いのだろうか?それは、我々日本人が元々、アフリカでの人類誕生以来、幾多の争いに負けつづけ、大陸から押し出されて現在の地にたどりついた民族だからではないか。ならば、まず自分たちの弱さを認めることだ。「押しの弱さ」は恥じるべきことではなく、むしろ現代の世界では「売り」になる。弱さを逆手にとった画期的日本人論。
目次
第1章 「すみません」と「仕方がない」の国、ニッポン(自他共に認める世界一押しの弱い民族;個人が弱けりゃ、国まで弱い ほか)
第2章 日本人は大陸からの押し出され組(なぜ我々は「ファー・イースト」にいるのか;「押しが弱い」から「押し出された」 ほか)
第3章 日本人らしさは「日本語」が作る(気味悪がられた日本人の微笑;日本語が「日本人」を作る ほか)
第4章 弱い日本人が生き残る道はあるか(サッカーから学ぶ日本人の勝ち方;体の弱さが生んだ世界的ヒット商品 ほか)
著者等紹介
齋藤孝[サイトウタカシ]
明治大学文学部教授。1960年、静岡県生まれ。東京大学法学部卒業。東京大学大学院教育学研究科博士課程等を経て現職。専門は教育学、身体論、コミュニケーション論(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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月讀命
54
アフリカ大陸で人類が誕生して、ユーラシア、アジアから極東に存在する離れ小島迄、逃げて来た民族が日本人である。日本人は、民族同士の戦闘を避けながら、逃げられる所まで逃避行を続けた事によって、滅ぼされもせず生き延びてこられたのである。この様な日本人の特質は、既に遺伝子の中に組み込まれ、生き残るべく処世術となっている。今更、この遺伝子を大きく変える事は出来無いのだから、この押しの弱さという特性を上手に利用して、世界貢献に尽くしていけば良いのではないか。・・・私は、自分自身の日常生活でも同じ様な事やっていた様な?2012/08/20
wanichan
33
押しが弱い民族だから、争いを避けて、極東まで押し出されてきたという仮説が面白かったし、納得できた。何かと欧米側と比べて、自虐的になる日本人に、民族としてもDNA 的にもビビりで押しが弱いので、この持ち味を活かしていく発想に共感できました。2015/02/07
魔王
21
最初は日本人をバカにしている感じであまりおもしろくなかったです。徐々にどうしていけばいいかを見いだしていたので、よかったと思います。「個性」より「創意工夫」ができる子に育てるというのが特によかったですね。なんだかんだで日本人の性格もいいところがありますね。2017/10/28
ちさと
15
「日本人は押しが弱いけれど、その分穏やかで協調性がある。個性はいらないのでチームワークで戦うべし。」タイトルからは日本人を卑下した挑戦的な印象を与えられますが、いくつもの理由の考察の後に、押しに弱い日本人が日本人らしさを発揮する為の持論が展開されています。教育者としての斎藤先生の学校・教育論も興味深く、ホリエモンとの朝まで生討論を希望します。2018/08/06
ayumii
13
海外で活躍する人は、どこか日本人離れした強さをもっていると思っていた。でも本来ならば、ありのままの日本人の良さを認めてもらって存在感を示せたほうが気分がいい。弱いからこそ獲得した日本人ならではの特長は、必ず世界でも通用するはず。2020/03/21
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