内容説明
あの建築はなぜ美しいのか?パルテノン神殿から現代の自由曲面シェルまで、技術と芸術の統合がもたらした「美」の歴史と仕組みを構造家・佐々木睦朗と画文家・宮沢洋がビジュアルに解き明かす!交差ヴォールト、放物線アーチ、懸垂曲線、コノイド曲面、回転放物面、双曲放物面、一葉双曲面、多様な構造美が登場!
目次
第1章 建築の美とは何か(桂離宮と日光廟の建築美について考えてみる;語源をたどると「技術は芸術である」)
第2章 古典建築の技術と芸術(建築はどのようなプロセスでつくられるか;建築の最大要素は「機能と構造と美しさ」;さまざまなメッセージを投げかける;パルテノン神殿;石の柱は木製のダボで地震時の横力を吸収;微妙なむくりや斜めに立つ柱も)
第3章 近代建築の技術と芸術(エンジニアリングが生み出す建築の登場;近代のモニュメント―エッフェル塔;ヴィオレ・ル・デュックが近代建築に与えた影響;ヴィオレから構造合理主義を継承したガウディ;永劫のカテドラル―サグラダ・ファミリア大聖堂)
第4章 20世紀の近代建築へ(あのグロピウスですら、細い部材になじめず;鉄骨軸組構造で完全な建築美を実現したミース;地震にも耐えるファンズワース邸の構造)
第5章 再び建築の美について(美の判断基準を持つ重要性;建築の美は歴史のみがその真実を語りうる)
補講 佐々木睦朗塾長に聞く キャンデラに怒られ、ガウディに目覚める―「シェル」をめぐる私の冒険
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
Abercrombie
2
自然美への感覚が人類共通のものであるのに対して、人為的な文明や文化に属する美への感覚は相対的なものである、とか。同時代に桂離宮と日光廟という対称的な最上の美が生まれた不思議、とか。機能と構造と美しさの調和が建築の美を生む、とか。なるほどねぇと頷いているうちに読み終わってしまった。近代建築の話になる後半はちと難しい。2025/12/07
めもめも
1
画文でもわからない〜むずかしい〜逆さ吊り実験とかもうわからん!!とりあえず和辻哲郎を読みたくなった。桂離宮の美しさも日光東照宮の賑々しい美しさも好きだけど、代々木競技場に美しさを見出せないなあ。いまあらためて見ると違うかなあ。3冊通して読んできて、鷺ノ宮の三岸アトリエ、まさにバウハウス!2025/12/01
kaz
0
古典から現代に至る建築の美と技術の流れを描き出している。パルテノン神殿や桂離宮、エッフェル塔、サグラダ・ファミリア、ファンズワース邸など、時代も地域も異なる建築が取り上げられ、それぞれの構造的工夫と美的理念を解説。技術と芸術が交差する地点が丁寧に辿られている。ガウディが構造合理主義を受け継ぎながらも独自の造形美を追求したサグラダ・ファミリアの描写は面白い。 2025/11/03




