春陽文庫<br> ペテン師と空気男

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春陽文庫
ペテン師と空気男

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  • サイズ 文庫判/ページ数 210p/高さ 16X11cm
  • 商品コード 9784394301318
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

わたし、野間五郎は青年時代から物忘れの大名であり、友人から、空気のようにたよりない男といわれ、そこから「空気男」というあだなが生まれていた。そのわたしが、なんとなく汽車に乗りたくなり、静岡までの切符を買って乗った車中で、ふしぎな黒ずくめの服の紳士と会った。悪魔のメフィストじみた風貌のその黒服紳士こそジョーカー・伊東錬太郎であった。プラクティカル・ジョーク(冗談のいたずら)の名手伊東にひきつけられたわたしは、伊東とその美しい妻・美耶子との親交を深めていった(「ペテン師と空気男」)。推理小説界に一大金字塔を樹立した輝ける巨人・乱歩が、戦後、昭和30年から35年にかけて執筆した名作5編を収録したファン待望の1巻。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Tonex

31
表題作のみ。別の本で読んだがこちらで登録。西尾維新の『ぺてん師と空気男と美少年』を読んだついでに読んでみた。▼不気味な話かと思ったらユーモア小説だった。「空気男」とは何かと思ったら、物忘れがひどくて空気のように頼りないので「空気男」とあだ名をつけられた主人公のことだった。「ペテン師」も詐欺師ではなく、いわゆるドッキリのようないたずらをして喜ぶ悪ふざけ大好き男のことだった。▼主人公が健忘症という設定が全く生かされていないが、もし主人公が「信頼できない語り手」だとしたら、別の解釈ができるかもしれない。2016/02/22

いりあ

26
春陽堂から大正時代に刊行された江戸川乱歩短編集を文庫で復刊したものです。本短編集は、"ペテン師と空気男(1959)""堀越捜査一課長殿(1956)"、"防空壕(1955)"、"妻に失恋した男(1957)"、"指(1960)"の5篇を収録。いずれも作者の晩年に発表された作品です。この頃は怪人二十面相や少年探偵団が活躍する少年ものが多く発表されていた時期ですが、表題作にもなっている"ペテン師~"は、往年の乱歩らしさを感じる作品です。また、"防空壕"は色々な意味で印象に残る話です。男ってバカだな。2015/12/12

みなみ

21
江戸川乱歩の中、短編集。表題の「ペテン師と空気男」は、健忘症で存在感の薄い空気男が、ひょんな事からジョーク好きのペテン師とその妻に出会い、翻弄される話。健忘症のはずが詳細な状況を記憶している空気男に違和感を感じるものの、様々なプラクティカルジョークを実演していくぺてん師は魅力的。2018/05/27

Yuri

14
まず表紙絵が素敵!ペテン師のプラクティカルジョークには空気男と共に振り回されっぱなしでした。『防空壕』のオチは何となく分かっていながらもニヤリとさせられます。2023/03/27

バ度ホワイト

14
黒服紳士のジョーカー伊東錬太郎の魅力的なこと!主人公の空気男と伊東が色んなプラクティカルジョークを見せてくれて楽しい。読後まあまあかな~なんて思ってたけどいやいや乱歩らしい要素てんこ盛りでじわじわきます。主人公空気男や伊東とその妻の三角関係がヒヤリとおもろい。他の作品ではラストを飾るたった3ページでゾクッとする『指』が。2017/08/08

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