出版社内容情報
それぞれの源氏物語との出会い、桐壺や若菜の巻に含まれる問題、空蝉や六条御息所などの女性論、物の怪の実体、光源氏の須磨流離の意味、六条院を作った本意、大君・中の君・浮舟の生き方について論じ合う。
1000年以上にわたって読み継がれ、研究されてきた源氏物語について、今日、何が問題であり謎となっているのか、どう考えるのが妥当かについて、一般読者に向けて、分かりやすく、作品を味わいながら語り合う対談。一方は大正生まれの東大出の権威、他方は昭和20年代生まれの早大出身の女性学者で幅広く活躍中という、世代も学んだ環境も、性別も異なる源氏学者が、妥協することなく繰り広げる議論は大変興味深く、感動を覚える。それは作中人物の生き方に多くの示唆を与えられ、源氏物語はどんなに素晴らしい作品かと感じ入るか、いずれにせよ、読者がこの名作を読み理解するにあたって有益な指針となることは請け合いである。奥深い話の内容も決して専門家向けではなく一般の人にも楽しく読める。
内容説明
異なる世代の源氏研究者による熱論。
目次
私たちは『源氏物語』とどう出会ったか
桐壷巻をめぐって
空蝉はどんな女性か
六条御息所と物の怪
須磨流離を考える
玉鬘十帖に見る六条院の物語
若菜巻の諸問題
大君・中の君物語
浮舟物語
著者等紹介
秋山虔[アキヤマケン]
1924年、岡山県生まれ。東京帝国大学文学部国文科卒。東京大学名誉教授。『源氏物語』を中心に平安文学を研究。『源氏物語』の作中人物論、主題、文体、構造論と研究を展開し成果を築いた。長年にわたる『源氏物語』全訳注の業績がある。日本学士院会員
三田村雅子[ミタムラマサコ]
1948年、東京都生まれ。早稲田大学文学部日本文学科卒。フェリス女学院大学教授。平安文学、中でも『源氏物語』『枕草子』を専攻。『源氏物語』を、脇役である女房に視点をあてた女房論、聴覚・嗅覚・触覚などの感覚に注目した身体論の立場から解釈して注目された。NHK教育テレビ「古典への招待」講師
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