内容説明
天災、事故、犯罪被害、自殺…予期する暇もなく近親者を喪った人はどのような心理状態にあるのか。最先端の悲嘆ケアの研究成果をふまえつつ、それぞれの状況にあわせた援助のあり方を探る。
目次
私の場合、その自己分析―序にかえて(柳田邦男)
1 突然の死―心の傷への理解と対応(遺志の社会化というプロセス(野田正彰)
犯罪被害者サポートにおけるトラウマへの対応―犯罪被害者相談室の活動(小西聖子)
突然の危機への対応―諸外国における救援の実情から(アルフォンス・デーケン) ほか)
2 遺された人々へのグリーフケア―伴侶を喪った後の生き方(世界のグリーフケアから考える日本の課題(アルフォンス・デーケン)
死をとりまく危機的状況の理解(小島操子)
死別ということ(長谷川浩) ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
阿呆った(旧・ことうら)
6
伴侶との死を中心に、死別の悲しみの乗り越え方を考察した一冊。2015/10/08
うさうさ
1
病死、自殺、災害による死など様々な死別体験とそのグリーフケアについてまとめられた書。悲嘆のプロセス12段階など専門的な事にもふれている。著者の息子さんの自殺からの立ち直りも自己分析されていて興味深い。2011/10/17
司書見習い
0
突然死に見舞われた遺族への精神的ケアを、個別的ケースを挙げながら論じた本。 緩慢な死を迎えた場合と比べて、突然死は遺族に強い衝撃を与え、影響は長期に及ぶ。そしてそれは周囲の人間の感覚との乖離をもたらす。そこで周囲から「がんばろう」「早く立ち直って」「あなただけじゃない」「長く苦しまなくてよかったね」などと励まされると、周囲の感覚との違いから二次的トラウマになりがちである。支援者は、話す姿勢よりも、じっと聞く姿勢が必要ということのようだ。2016/04/22