内容説明
危機に瀕する日韓関係。両国の歴史・文化・人間性を知り、真の友好のために何をせねばならないか問いかける知韓派牧師の体験的韓国論。
目次
1 日本人によってだけ差別されている国
2 歴史から浮かび上がってくる韓国人
3 白衣の民・東方君子の国
4 一族意識の強い人々
5 残忍な政策によって三六年間苦しめられた民族
6 一〇〇年間も苦しんできた国
7 殉教者の多い国
8 在日朝鮮人・韓国人の苦闘
9 いま世界でもっともメッセージを発している国
10 日本人よ、韓国に優しく
著者等紹介
鈴木崇巨[スズキタカヒロ]
1942年生まれ。東京神学大学大学院修士課程および米国南部メソジスト大学大学院修士課程修了。西部アメリカン・バプテスト神学大学大学院にて博士号を取得。日本キリスト教団東舞鶴教会、田浦教会、銀座教会、頌栄教会、米国合同メソジスト教団ホイットニー記念教会、聖隷クリストファー大学などで47年間、牧師、教授として働き引退(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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国内には「悪の朝鮮半島」を主張するメディアや書籍は多いが、対立を煽るよりも調和を促す為の言論はトンと少ない。その意味で本書は貴重だ。「朝鮮半島の苦しみは、いまだに終息していません。日本人は時代を戦前と戦後に分けて考えます。韓国人にはそれがないことを、日本人は考えたことがあるでしょうか」と。なのに加害者側は反省どころか今さら知らぬ存ぜぬというのだから、やり場のない恨みがあって然るべきだろう。日本人の現代史に対する知識の無さは隣国と比較にならない。教育がそうさせている面が強い。時間をかけ教え、学び、知るべき。2020/04/23
あ
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韓国視点での韓国史を学ぶのは驚きが多い。日本の教科書の数行で表される文禄の役・慶長の役は韓国においては当然ながら国を揺るがす大事件であり、李舜臣は英雄で、植民地支配は余りにも惨いもので、三・一独立運動は一斉蜂起の大成功で今は祝日となっている。特に植民地支配での創始改名や神社参拝、天皇崇拝の強要は心の支配でありその屈辱性を思うと胸が痛い。勤勉さや上下関係の厳しさで日本と似ている韓国。だがそれは儒教精神や困難に自分達の力で立ち向かい意思表示をしてきたゆえんであり、異なる歴史の元で築き上げられてきた国民性だ。2023/07/29
RED
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「もう賠償責任は果たした」とか、「徴用工問題や慰安婦問題はあった。いや、その頃お金を払ってビジネスとして任せていた」とか、色々あるにしても、辛い環境で亡くなった方には感情を寄せ、経済というビジネスはビジネスとして考える必要があると思う。個人として、韓国の人々を好きだと思う一方で、政府として動くことはまた別なんだろうなと読みながら思った。2023/02/02