目次
プロローグ 読み書きできなくても大丈夫?
1 文字を読み書きするということを改めて考えよう
2 江戸時代の特質を知ろう
3 統計的数字を調査しよう
4 記録された証言を読もう
5 明治以降の識字状況を調べよう
6 日本の読み書き能力の展開を整理しよう
エピローグ 情報の読み書きへ
著者等紹介
川村肇[カワムラハジメ]
1960年生。東京大学大学院博士課程中退。博士(教育学)。現在獨協大学教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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樋口佳之
23
こちらは随分と地面を掘り起こす内容。但し具体的な史料はなかなか揃わないみたい。/江戸時代の日本では世界で最も読み書き能力が普及していた,というような言説が流布していますが,これが正しくないことは明らか/地域、階層、性別で大きい差があり。当然とも言える結果/私たちは現代日本語で会話しているとき,頭の中で漢字変換しながら理解しているともいえるでしょう。言語は音声を基本とする,という見地からすれば,漢字に頼る現代日本語を「逆立ちした言語」と見る人もいます。/ここが一番示唆的かも。2018/11/17
やまだてつひと
4
明治時代の学校導入以前でどのようにして読み書きが庶民の中で浸透していったのかを記述している本。江戸時代の手習塾などの存在が大きかったようで勉強になった。言語化でたまに、SNSで流布している言葉を見て「私の言いたかったことはこれだ」というような話から「他人の思考にただ乗りしている」という風な批判をたまに目にするが、そのことについて類似した内容で考えていた思想家安藤昌益という人がいたという事を知らなかったので、そこが私の中では一番勉強になった2024/09/30
RISK
1
こういう歴史の楽しみ方があるのか! 元々支配者階級に独占されていた読み書き能力を普通の人が得ることで、情報が得られ自分の意見をお上に伝えることができる、人生が変わる! 義務教育で普通に読み書きできるようになれる世の中で、良かったな。色々な意味で子供に読ませたい一冊。2018/10/05
momen
0
小学校高学年~高校生くらい向けの、日本の文字学習と識字率について解説した本。平易な文体だが具体例や図が非常に多く、体感的にやさしく文字文化の歩みがわかる。中世近世は、都会の商人など文字を使う職業の人は使用人含めかなり高度な識字能力を有していた一方、沖縄や高知などでは明治になっても識字率が低かった。序文と後書きで夜間学校・発達障害・海外出身者などを挙げ現代でも識字に苦労する人が沢山いることを指摘し、文字表現におけるあり方の問題提起をしていたのが印象に残った。大人が読んでも得るところのある一冊。2025/02/13
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