出版社内容情報
三友 量順[ミトモ リョウジュン]
著・文・その他
内容説明
玄奘三蔵の名は知らなくとも、親しみをこめていう「三蔵法師」の呼び名は皆が知っている。同様に、彼の翻訳経典が何れかを知らなくとも、玄奘訳『般若心経(摩訶般若波羅蜜多心経)』は、今日にも大変親しまれている。インド的思惟にもとづく「空」と中国的思惟による「有」との離隔をつなぐことも、玄奘三蔵の西域求法の目法であった。
目次
1 玄奘の時代と仏教(具象と抽象(中国的な思惟とインド的な思惟)
仏像の出現―抽象から具象へ(1)
経本崇拝―抽象から具象へ(2)
「法舎利」―抽象から具象へ(3))
2 唐代にいたる仏教の受容と変遷(インドから中国へ―中国仏教の展開;唐代の西域情勢と異民族・異宗教)
3 玄奘伝(おいたち;旅立ち;西域への旅;インド;釈尊の故郷;ナーランダー;東インドから南インドへの旅;帰路;帰朝)
著者等紹介
三友量順[ミトモリョウジュン]
1946(昭和21)年、東京都に生まれる。東京大学大学院人文科学研究科(印度哲学専修課程)修了。現在、立正大学社会福祉学部教授、立正佼成会学林講師。哲学博士(Ph.D 国立デリー大学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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kenitirokikuti
9
図書館にて。1994年刊行。玄奘がインドを後にした頃、ササン朝ペルシアが初期のイスラム教徒によって滅んでいる。すると、西遊記にはイスラム教要素はないはず。東方見聞録には、あるか。玄奘が唐に戻ったとき、だいたい武后(則天武后)のころか。2019/12/29
nob
0
仏教そのものの成り立ち、玄奘がインドに旅立つ前の中華における仏教の状況、「慈恩伝」に基づくインドへの道程とインドでの足跡、帰国後の経典の翻訳作業について書かれています。経典の思想そのものについてはあまり書かれていません。「瑜伽論」についてもう少し詳しく知りたかったです。2025/05/01