内容説明
太宰は四字熟語使いの名手である―実際に用いられた四字熟語の意味や背景を解説しながら、作品世界を自由に読み解く異色の太宰文学案内。
目次
第1章 青春の苦悩―『晩年』諸作を中心に
第2章 職業作家として―『富嶽百景』から『新ハムレット』まで
第3章 戦時下の明るさ―『正義と微笑』『津軽』『パンドラの匣』など
第4章 戦後社会との戦い―『人間失格』へ至る道
著者等紹介
円満字二郎[エンマンジジロウ]
1967年兵庫県生まれ。大学卒業後、出版社にて高校国語教科書や漢和辞典などの編集に従事。現在は、フリーの編集者兼ライターとして多方面に活躍中(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ヨクト
16
太宰の作品で使われた四字熟語を解説。普通の四字熟語の辞典としても面白いが、この本では四字熟語の意味を解説した上で太宰の作品での用い方を考察しているので、より太宰作品を楽しめるようになるだろう。太宰オリジナルの四字熟語も多く、なかなか面白い。独特の明かりさや暗さ、リズム感と表現能力を作り出す四字熟語を理解できるようになれば読書もより楽しめるだろう。特に古典文学などは。2012/11/09
Yukiho Akechi
8
面白かったです!大宰好きにして辞書編集出身の編集ライターという、ナイス経歴をもつ著者の視点が良かったです。マイナーな大宰作品が多々紹介されていて、大宰作品に手を出したくなりました。あと大宰が多用する四字熟語が、なんとなく偏っているのにニヤニヤしてしまいました。「四方八方」「自己弁解」「自己嫌悪」とか…大宰も玉川上水で苦笑してるかもですね。2012/11/27
やま
3
これは面白い!わかったつもりで読み飛ばしていた四字熟語に、とんでもない仕掛けがあったことに気づかされる。2011/01/19
穂口
1
こういうの読むと太宰ってすごいんだなってなる。2016/10/13
なゆみ
1
改めて太宰がいかに教養人であったかを感じさせられる内容ですね。太宰がよく使う四字熟語ランキングがあって面白かった。そのランキングを見ると、いかにもな太宰臭がプンプン!で笑えた。2015/05/15