内容説明
宝塚少女歌劇で春日野八千代らと舞台に立ち、随一の演技派として活躍後、戦中映画の名作『無法松の一生』でヒロインを演じて、日本中を魅了した園井恵子。女優として阪東妻三郎、高峰秀子、丸山定夫らと映画や舞台で共演し、高い演技力と気品ある美しさから将来を嘱望される。そして終戦直前の昭和20年8月、滞在先の広島で運命の日を迎える―。大林宣彦『海辺の映画館 キネマの玉手箱』、井上ひさし『紙屋町さくらホテル』のモデルになるなど、没後75年を経ても語り継がれる劇的な生涯を、周到な取材により描く初の本格評伝。
目次
岩手 緑生まれる大地に
小樽 女学校時代
夢への旅立ち
宝塚音楽歌劇学校時代
舞台デビューの頃
星組の誕生
少女歌劇のスターとして
さらば宝塚
新劇と映画の世界へ
しのびよる闇
移動演劇の日々
広島への道
桜隊
八月六日
夢の終わり
著者等紹介
千和裕之[センワヒロユキ]
1978年東京都生まれ。理学療法士。大阪芸術大学通信学部文芸学科卒業。20代前半から脚本家・大前玲子に師事、創作の技法を学ぶ。第35回NHK仙台放送局FMオーディオドラマ脚本募集審査員奨励賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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takao
4
ふむ2024/05/21
あざすたしあ
2
戦前に実在し、原爆で亡くなったタカラジェンヌの生涯を描いたルポ。 宝塚歌劇団に入ってからの役作りへののめりこみ方などは面白かった。劇団に入るまでの地元の学校に出たり入ったりのくだりと、退団後の映画出演などの話にはあまり興味が持てず。 被爆した俳優たちが死んでいく様子は淡々と描かれていたが、助かった、と思っても体調が一瞬でおかしくなる恐怖が読んでいて息苦しくなった。平和に宝塚や映画を楽しめる今に感謝、とまとめてしまってはあまりにもありきたりだろうか。2023/07/23
nekokone
0
彼女のことを全く知らなかった! 優れた書き手は、チャンスもまた引き寄せるのか2023/09/03