スローフードの奇跡―おいしい、きれい、ただしい

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  • サイズ B6判/ページ数 317p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784384025101
  • NDC分類 498.5
  • Cコード C0098

出版社内容情報

全世界で拡がる「スローフード」活動の中心でスローフード協会会長の著作。本来の「スローフード」とは何か、食品の質とは何か。「おいしい、きれい、ただしい」をキーワードに、現状の問題と回答を、日記形式で紹介。

すっかりおなじみの「スローフード」という言葉は、そもそもイタリアのブラという片田舎からスタートしたNPO運動として、ファーストフードによって全世界で味の均質化が起こっていることに危惧を抱いたイタリア人の人たちが、地元の食材と「食」にまつわる文化を大事にしようと1986年に取り組み始めたことに発している。現在、世界中に広まり、会員を持つ、その本家本元の、カリスマ的な人気をもつスローフード協会会長自身が、本来の「スローフード」とは何か、食の質は、食べ物の味覚的価値、環境的価値、倫理的価値「おいしい、きれい、ただしい」という3つの基準によって決められるのだということを説く。

第1章現代のシステムによって失われていく食べ物~イタリアの地域で失われている食材の例

第2章新しい「食の研究家」による生物学的、文化的、地理学的などの多角的考察~フィレンツェの食の研究家の例など

第3章食の品質とは何か おいしさ、クリーンさ、正しいということ~インドの海老、緑のカリフォルニア

第4章すべての人が食の研究家となるために~ニューヨークの味覚ワークショップ、モロッツォの祭りなど

第5章新たな食のネットワークづくりの重要性~サンフランシスコの例、チャパス、ロックフェラー、プーリアの生産者たち、農民の高潔さについて

【著者紹介】
著者
カルロ・ペトリー二
1949年生まれ。トレント大学卒。1986年スローフード協会会長に就任。1989年スローフード宣言に調印後、カリスマ的なリーダーとなる。タイム紙の2004年「ヨーロッパのヒーロー」の中で「革新者」として選ばれる。スローフード協会の企画として、味の箱舟、イタリア・国際プレジディオ、スローフード賞、テッラ・マードレなどを推進。ポッレンツォとコロルノに食の大学を開設。主な著者「スローフード・バイブル」など。「世界のワインガイド」出版

翻訳
石田雅芳
1967年福島生まれ。2002年よりスローフード協会国際本部スタッフ。スローフードジャパン創立をサポート。2007年に帰国、スローフード・ジャパンの国際部長に就任。主な著書に「スローフード・マニフェスト」

内容説明

いまこそ「食」を見直す。地球環境のために、子どもたちのために。世界を席巻したスローフード国際協会会長カルロ・ペトリーニが主張するスローフードの3つの基本原則「おいしい、きれい、ただしい」。各国で翻訳され、絶賛を浴びたスローフーディストのバイブルともいえる書。

目次

1 安心できない状況(安心できない状況;共通の運命、自然、人間、食 ほか)
2 ガストロノミーと新しいガストロノミー(ガストロノミー;新しいガストロノミー:その定義)
3 目的としての品質(おいしい;きれい ほか)
4 実行すべき三つのアイディア(教育について;共生産者 ほか)
5 実現する(ネットワークを作る;文化的変革、ガスノロノモたちの世界に対する総括的ビジョン ほか)

著者等紹介

ペトリーニ,カルロ[ペトリーニ,カルロ][Petrini,Carlo]
1949年、イタリア・ブラ市生まれ。スローフード協会創設者会長。社会学と政治活動、協会運動を背景として、80年代にワインと食のための協会「アルチ・ゴーラ」を創立。89年にはスローフード国際協会を発足し、世界最初の食科学大学、世界生産者会議「テッラ・マードレ」などを生み出す。最新著書『おいしい、きれい、ただしい』は「エコ・ガストロノミー」の概念を定義付けたもので、協会の定本としてすでにフランス語、スペイン語、ドイツ語、ポーランド語に翻訳されている

石田雅芳[イシダマサヨシ]
1967年、福島県生まれ。専門はイタリア近代美術史。94年よりロータリー財団奨学生としてフィレンツェ大学に学ぶ。98年よりフィレンツェ市公認の美術解説員。イタリア文化全般にわたって、コーディネーター、フリーライター、イラストレーターとして活動。2002年よりイタリアに本拠を置く国際協会「スローフード・インターナショナル」の日本担当官として勤務。協会の激動期を体験後2007年に帰国。スローフードジャパン国際部長に就任(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

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Koki Miyachi

3
筆者はスローフード協会の創立者。おいしい、きれい、ただしいというスローフードの理念と思想的背景を知ることができる。単なるフードの味や品質という捉え方ではなく、食システムの中で理想のガストロノモのあり方を追求する。幅広く問題点から改善の方策、将来の展望まで多面的な切り口でスローフードの実現を模索している。少々大上段に構えている気もするが、その真面目な眼差しは新鮮だった。2016/09/10

Mee

1
地域に根ざしたものを食べることで、歪んだ資本主義に小さな抵抗を始めることができる。 ガストロモになりたい。2019/05/17

デューク

0
「おいしい、きれい、ただしい」をテーマとするスローフード運動。その創設者が語る、スローフード運動の意義。 生産者と消費者とが分離され、その間には巨大な流通システムが横たわる現代社会。便利ではあるが、生産者は流通経費で収入を削り取られ、消費者はその食べ物がどこから来たのか分からないまま食べている。この状況を変え、「おいしい、きれい、ただしい」を実現するにはどうすればいいか、一つのヒントがここにある。2014/10/13

Makiko

0
スローフドというわかりやすい言葉に隠された大きな意味。当たり前に感じられるけど言葉にできないものを明確にしてくれる。著者の話を訳者の通訳で聞いた事があるだけに、すんなり納得。食べ物の話としてだけでなく、生きる事すべてに通じる気がする。2012/07/04

nekokone

0
実は未読2011/03/10

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