内容説明
「丸太が歩いてくるのかと思った」という母のひとことから始まった「主食のご飯は110グラムでなくてはいけない」という食のルールにがんじがらめになっていく「私」を描く表題作、女性医師への慕情と葛藤を綴る「境界線」、母と高齢者向け施設見学に行った顛末記「肝心な話」、犬好きの前で『犬が苦手』と言えずに苦悩する「犬の話」など、エッセイ・小説を27作品収載。
目次
しゅうまい定食
インタさん
境界線
香典袋
帰りたかった家
野口さんの不在
帰り着いた家
疎遠な親子
肝心な話
続 肝心な話
祖母のこと
一期一会
形見分け
与える者は…
買い過ぎたトマト
犬の話
ご飯百十グラム、これでよろしくて?
華やかな雑音
ひとカラの魅力
期待
お預かりしている人
同じ穴の狢
妬まれたい煩悩
ご破算になる
写真のウソまこと
ごみの告白
紙喰い虫