出版社内容情報
原発事故を機に「節電」を始め、遂には冷蔵庫も手放した。広い家を出て、会社も辞めた。生活を小さくしていく中で考えた。多くの家電に囲まれ、毎日美味しいものを食べ、買い物に興じる「便利で豊かな暮らし」は、本当に便利で豊かなんだろうか? アフロえみ子が、ちっぽけな自分に出会い、生きるのに必要なことを取り戻す、冒険の物語。
内容説明
原発事故を機に「節電」を始め、遂には冷蔵庫も手放した。広い家を出て、会社も辞めた。生活を小さくしていく中で考えた。多くの家電に囲まれ、毎日美味しいものを食べ、買い物に興じる「便利で豊かな暮らし」は、本当に便利で豊かなんだろうか?アフロえみ子が、ちっぽけな自分に出会い、生きるのに必要なことを取り戻す、冒険の物語。
目次
1 それは原発事故から始まった(アナザーワールドへ)
2 捨てること=資源発掘?(掃除機、電子レンジ…)
3 嫌いなものが好きになる(暑さ、寒さとの全面対決)
4 冷蔵庫をなくすという革命(たいしたことない自分に気づく)
5 所有という貧しさ(果てしなき戦いの果てに)
6 で、家電とはなんだったのか(まさかの結論)
著者等紹介
稲垣えみ子[イナガキエミコ]
1965年、愛知県生まれ。一橋大学社会学部卒。朝日新聞社で、論説委員、編集委員を務め、2016年に退社。夫なし、子なし、冷蔵庫なし、ガス契約なしの生活を送る(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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かずぼう
26
家電を含め無駄が溢れている世の中で、それを脱ぎ捨てていく過程と心境変化が面白い。コレが資本主義の限界なのか?2024/08/22
はるき
13
何が凄いって、楽しんでるのが凄い。原発問題で皆自主的に節電しましたが、そこから三種の神器を捨てる、冷暖房を使わない、極めつけに会社を辞めるなんて!便利な生活を捨てたら自由になった皮肉。色々考えさせられます。2024/11/19
鳴海
12
多くの家電を手放し、古い家で質素にらす事から見えて来た豊かさを、筆者は語る。数年前までは、バブリーの筆頭だったと言うから一層驚いた。一時は話題の人だったのを知らないのが残念だ。タイトルの「寂しい」は、物を持たない事で狭まる可能性の事らしいが、「それが何だと言うのだろう、便利に暮らすのが即ち豊かなのか」と言える強さが清々しい。凡人には簡単に真似など出来ないが、便利になる事ばかりが最優先なのは、それも寂しいのでは?と思わされた。良い塩梅と言う言葉があるが、自身にとってのそれを探す試行錯誤から、まずは始めようか2024/11/12
hasami1025
11
極端な節電生活を心から楽しむえみ子さん。自分に本当に必要なものを見極め、行動できるのがすごい。テレビや掃除機・電子レンジ・エアコンはともかく、照明や冷蔵庫まで断捨離!地味なえみ子さんエピソードの中で、彼女が参考にした松下幸之助のエピソードや、節電生活の振り返りの中で思い出した電通戦略10訓も、私は知らなかったので参考になった。あと、単純に挿絵が可愛くてほっこりw2024/10/12
ゆうすけ
11
『魂の退社』と双璧をなす、傑作エッセイ。東洋経済から出た単行本を幻冬舎が立て続きに文庫化。良きタイミングでの、良い仕事だと思います。前回の反省を活かして今回はちゃんと文庫を買って、文庫版あとかぎと解説も読めました。著者はいたって真面目なのですが、本当に爆笑ものです。色々なモノを捨てていくと、余計なモノがなくなり、そこから立ち現れてくるものがある。それは最近つとになくなったと言われる四季だったり、地域コミュニティだったり。2024/08/27