内容説明
『銀二貫』、「みをつくし料理帖」シリーズなどで大人気の時代小説作家・高田郁。その優しさと温もりに満ち溢れた作品の源流は、ここにあった!!法曹界を志し、挫折を味わったこと。交通事故に遭い、後遺症に苦しんだ日々のこと。阪神・淡路大震災の経験―。艱難辛苦を乗り越え手にした希望とは?文庫版あとがきを加えた、貴重な初エッセイ集。
目次
抱擁
取材者いろいろ
先生の鞄
あかんたれ
パンと牛乳
最初の一歩
一枚のビラが
ふるさと銀河線
ブルー・ヘブン
幸福の絵〔ほか〕
著者等紹介
高田郁[タカダカオル]
兵庫県宝塚市生まれ。中央大学法学部卒。1993年、集英社レディスコミック誌『YOU』にて漫画原作者(ペンネーム・川富士立夏)としてデビュー。2008年、小説家としてデビューする(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
三代目 びあだいまおう
307
僕は髙田郁さんのことが大好きです。作家としても作品でも大好きですが、この本で判明しました!髙田さんを一女性として、とても愛しています!会ったことも言葉を交わしたこともありません。でも、人生でこんなに人を好きになったことはないかもしれません。彼女の紡ぐ、優しく美しい語感で表される悲哀と人生に幾度涙をこぼしたことか。この歳になって初めて体験する純恋愛。とても素敵なエッセイです!『明日は味方』『新聞が運ぶ朝』『忘れない』が特に好き。それ以上にあとがきが好き❗いつかご本人にお会いしてこの心の内を告白したい‼️🙇2019/07/16
海猫
255
髙田郁作品をあまり読んでいないのだけれども、そういうこと抜きで単体のエッセイ集としてしっとり味わいのある、良い本だった。そして自作に対する思いや情熱も伝わってきたので次は小説作品をどれか読んでみよう。2017/01/18
文庫フリーク@灯れ松明の火
182
「あなたの明日に、優しい風が吹きますように」 今や大人気作家となった高田郁さん。『みをつくし料理帖』シリーズや『銀二貫』を夢中で読まれる方は多い。けれどエッセイ集というだけでこの本を読まないのは、あまりにもったいない。この一冊を読む・読まぬでは、高田作品の味わいが格段に違ってしまう。冒頭の言葉は著者あとがき・最後の一行。あなたが最後に読むこの言葉が、どれほど深みのある一行か、体感されること祈って止みません。私同様、すでに単行本で読了された方も、ぜひ文庫版あとがきお読み下さい。つる家看板娘・りうさんの→2014/12/07
ユメ
138
「痛みを知る人間は他人に優しくできる」とよく言うが、誰もがそうなれるわけではない。けれど、髙田さんは自分と出会うもの全てを温かく受け入れることを選んだ。このエッセイも、日々のささやかな幸せをお裾分けしてもらっているよう。最も感銘を受けたのはあとがき。これまで、自分が読んだ本の登場人物のために祈ったことはあっても、作家が読者のために祈ってくれているなんて考えたこともなかった。「あなたの明日に、優しい風が吹きますように」そんな言葉を記してくれる髙田さんも、どうぞ健やかで。なんて素敵なピグマリオン効果の輪。2015/02/19
りゅう☆
133
阪神・淡路大震災、父の死、幼き頃のイジメ、交通事故、司法試験失敗、漫画原作者から時代小説へ一筋縄ではいかない転向等、本当にさまざまな出来事に遭遇してることに驚き。そんな中でも見い出して感じ取る一筋の光や人々の優しさに触れ、髙田さんの言葉により一層ぬくもりを感じる。1P半程の一つのエッセイの中で、髙田さんが感じたことに切なさありも感動で涙溢れそうになったり。色々な事を経験の中から感じ得て、髙田さんの中で積み上げられてきた良さが、見事に作品となって表れてると思う。想像した通りの素敵な人柄で嬉しかった。2015/12/16