内容説明
勤務する東立銀行に実家を破綻処理された若き銀行員・逢坂丹。カネに対する執着心を滾らせて米系投資銀行に移籍し、バブル期の日本に舞い戻る。昼夜を分かたず取引に狂奔しながら権謀術数を駆使し、社内のライバルを蹴落としてゆく。世界に君臨する巨大米系投資銀行でのし上がる日本人の虚像と実像を迫真の筆致で描く。
著者等紹介
黒木亮[クロキリョウ]
1957年、北海道生まれ。カイロ・アメリカン大学大学院(中東研究科)修士。都市銀行、証券会社、総合商社に23年あまり勤務し、国際協調融資、プロジェクト・ファイナンス、航空機ファイナンス、貿易金融などを手がける。2000年、『トップ・レフト』で作家デビュー。早稲田大学時代には箱根駅伝に二回出場し、二〇キロで道路北海道記録を塗りかえた(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ウルラニ
11
外資の投資銀行を舞台に、アグレッシブにのし上がっていく主人公。権謀術数に長け、マキャベリズムの権化のようなバイタリティが凄まじい。実在の人物や会社、出来事をモデルにしているだけに、臨場感満載です。★★★★☆2016/03/09
あっくん
10
同じ作者の『トップ・レフト』を思い出し少し似ているな、というのが最初の印象。1980年代から物語はスタートし、日本金融市場の歴史的な事件を背景としながら、主人公の逢坂が成り上がっていく物語を描いている。人によってモチベーションの源泉は異なるが、逢坂の場合は強力な復讐心がそれにあたる。『ハゲタカ』や『半沢直樹』が好きな人は楽しめそうなこと請け合いです。2021/10/24
nekozuki
9
割と最近の事例を扱っているから、元になった会社がわかりやすい。下巻を読んでみなければなんとも言えないが、それぞれの人物の内面描写が浅いので共感しづらい部分がある。逢坂のゆがんた勝利欲を表現するためにも、もう少し実家の貿易会社や家庭について深堀りして欲しかった。2015/03/25
HA
3
面白い。一気に読んだ。ここまで熱い世界は羨ましい。既にこの世界は消えてるだろうが、自身もこのように熱い世界で働きたい。ファーストキャリアとしては、やりたい事、考えに基づいて自身が最大に興味の湧く会社を選べた。 4月から熱く面白く働こう。そして自身の望むべき道に進んでいこう。2020/03/14
y_u
3
主人公の逢坂丹は、大手邦銀に勤め、アメリカ留学したのちに、外資系投資銀行に移籍。勝利への異常なこだわりを見せ、法スレスレ(というか違法)の情報収集、徹底した接待等なんでも厭わず、社内外のライバルを蹴落とし、東京支店の共同支店長にまで成り上がる。上巻では、体育会系の逢坂が、同僚、部下そして関係先からも評価する外資系投資銀行の人事評価に戸惑う一面も見せるが、すぐに順応し、有力者との人脈を広げていく。女性大蔵官僚との対決では、アメリカ政府から大蔵省へ外圧をかけるよう働くなど、ダイナミックな金融界の戦いを描く。2015/09/29
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