内容説明
餓死した大学生、高級マンションで二年放置された死体、風呂で煮込まれたお婆さん…。自殺、孤独死、事故、殺人―死んだ人の後始末を1500件以上請け負ってきた著者。血と体液と虫にまみれた部屋で、死者の無念さに涙し、呆然とする遺族を慰める。誰も近づきたがらない特殊な死の現場から、生の悲哀を見つめた衝撃のノンフィクション。
目次
第1章 孤独死の現場
第2章 自殺の現場
第3章 特殊清掃という仕事
第4章 天職
第5章 事件現場清掃人への道
第6章 事件現場清掃ビジネスの可能性
第7章 死のスタイル
著者等紹介
高江洲敦[タカエスアツシ]
1971年沖縄県生まれ。料理人、内装業者、風俗店専門リフォーム職人などを経て、自殺・孤独死・殺人現場などを扱う「事件現場清掃会社」を設立する。これまでに立ち会ってきた事件現場は1500件を超す(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ミカママ
281
帰国した際、本屋さんで幻冬舎アウトロー文庫を漁っていた(笑)ところ、コレに呼ばれて。そういやグロ友さんたちが読んでたんだわ。いやぁ、噂にたがわぬグロさとエグさ。描写がもうむちゃリアルで、臭いまでプンプンしてきちゃって、お腹もムカムカしながら、朝ごはん平らげたあたしは、漢かもしれぬ。この著者さんのスゴいのは、彼は単なるお掃除人じゃないってこと。死者の霊を慰め、遺族の気持ちを落ち着かせ、なによりも優しさと誠実さに溢れている。こういう現場がひとつでも減る社会になりますように。2017/08/14
ゆいまある
86
「特殊清掃」がちょっとライトで食い足りないと呟いていたら、親切な方からDMで教えて頂いたのがこちら。素人の文章なので読み易いとは言えないが、腐敗汁が人形に染み込んだ現場の画像や、一番知りたかった脱臭のノウハウも書かれており、読み応えは充分。自殺したいと思う人に読んで欲しい。死後の処理の大変さを知ると思い直すかもしれないから。真面目な人だなあと思っていたら、借金返済の為に必死で取り組んだとか。やはり人間お金が絡むと本気出すんだな。ゴミ屋敷とか親の終活に悩む人々にまだまだ需要があるので伸びていって欲しい。2020/03/19
まさきち
85
孤独死や自殺の果てに長期間発見されなかった現場の描写には鳥肌が立つ程の印象を抱いた。しかしそれ以上に印象に残ったのは高江洲さんのバイタリティと機転の良さ、そしてしっかりとした信念と優しさと持って特殊清掃という仕事に臨んでいるということ。尊敬の念を持って読み終えた一冊です。2019/12/28
kinupon
84
世の中いろいろな仕事があるが、これは過酷な仕事の一つだと思いました。最近マスコミに良く紹介されるけれど、自分には絶対できない仕事です。でもこの様な仕事を請け負う人もいなければと感じました。現代日本の裏の社会を垣間見ることができますね。2016/03/18
フユコ
76
遺体に口づけをしてはいけない事を知らなかった。覚えてないけど、「おくりびと」で遺体に口づけするシーンがあるらしいが、どんな細菌があるか分からないので危険との事。グッと来たのが、著者は幽霊を信じておらず、取材に来てた人達が幽霊がついてきているんじゃないかと怖がってるのを見て『死者にそんな自由があるならば、他にしたい事が沢山あるはずです。私を含めて他人についていくよりも、好きだった人、会いたかった人、大切な人のところに行きたがる、と考えるのが普通なのでは』とあり、本当にそうだなぁ、と思いました。2021/01/18