内容説明
死んだ妻に会いたくて、霊現象探求所を構えている真備。その助手の凛。凛にほのかな思いを寄せる、売れない作家道尾。三人のもとに、傷ついた心を持った人たちが訪れる。友人の両親を殺した犯人を見つけたい少年。自分のせいで孫を亡くした老人…。彼らには誰にも打ち明けられない秘密があった―。人生の光と影を集めた、心騒ぐ五篇。
著者等紹介
道尾秀介[ミチオシュウスケ]
1975年生まれ。2004年「背の眼」でホラーサスペンス大賞特別賞を受賞しデビュー。『シャドウ』で本格ミステリ大賞、『カラスの親指』で日本推理作家協会賞受賞。『龍神の雨』で大藪春彦賞、『光媒の花』で山本周五郎賞、『月と蟹』で直木賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ehirano1
208
真骨頂(?)のホラーはほぼナシ。初題の「流れ星の作り方」は良かったなぁ。私はてっきり少年は○○と思ってたよ。次は3人の長編をお願いしたいです。2024/06/30
夢追人009
204
道尾秀介さんの初期作で名探偵・真備と助手・凛とホラー作家の道尾さんご自身が活躍する秀作ミステリ短編集ですね。正面切ったフーダニットはない物の人間心理の盲点を突いた異色のトリックが新鮮でどの作品も読後の余韻が素晴らしいですね。『流れ星のつくり方』最終行の騙しの衝撃。『モルグ街の奇術』道尾マジック!消えた腕は何処へ?『オディ&デコ』風邪でダウンの真備の代役で道尾さんが大活躍。子猫と鼻声の話。『箱の中の隼』妖しい宗教法人施設で道尾さん恐怖と苦難の一夜。『花と氷』孫娘を死なせた老人男の錯乱の罠を見破る真備の慧眼。2019/11/15
KAZOO
159
道尾さんの初めての短編集です。「背の眼」よりも読みやすそうなのでこちらを先に読みました。5つの短編が入っていて結構パズル的な感じのもので私にはフィーリングが合う読みものでした。あまり恐怖的なものはなく読んだ後の感じもいいと思います。特に「流れ星のつくり方」「モルグ街の奇術」はいいです。「まほろばシリーズ」と同じ町田に事務所があるのですね。2016/01/07
gonta19
116
2012/4/13 Amazonより届く。 2025/3/26〜3/27 2年半ぶりの道尾作品。真備シリーズの第3弾で初の短編集。「流れ星のつくり方」、「モルグ街の奇術」、「オディ&デコ」、「箱の中の隼」、「花と氷」の5篇。個人的には「モルグ街の奇術」と「箱の中の隼」が好み。真備シリーズがこれ以降途絶えているようだが、続編を是非お願いしたい。2025/03/27
yanae
107
道尾さんは『向日葵の咲かない夏』を読んで以来久々の作品。真備霊現象探求所に集まる依頼人たちとの物語。霊現象といいつつ、実は亡くなった奥さんに会いたいからこの事務所を開いているということもあり、霊というよりミステリーの色合いが強く、ホラー苦手な私でも楽しめました。 どうやらこの作品「真備シリーズ」として長編が2冊ほど出ているよう。この本だけでも十分楽しめますが、そっちも読んでみようと思います。 読みやすく、道尾さんの印象が変わった作品でした。2013/09/03