出版社内容情報
36歳、うつ発症。
料理ができなくなった
食文化のジャーナリストが
発見した22のこと。
家庭料理とは何か。
食べるとは何かを見つめた
実体験ノンフィクション。
内容説明
36歳、うつ発症。料理ができなくなった食文化のジャーナリストが発見した22のこと。家庭料理とは何か、食べるとは何かを見つめた実体験ノンフィクション。
目次
第1章 うつと料理(36歳、うつ発症!;恐るべき食い意地 ほか)
第2章 うつと献立(「献立を考える」はなぜハードルが高いのか;ワンパターン献立に救われる ほか)
第3章 うつと女性(生まれて初めて「生きててよかった!」と思った日;「ていねいな暮らし」になぜ私たちは愛憎を抱くのか ほか)
第4章 うつと仕事(うつと自分を切り離して考えるようになってきた―気分を変えるピクニック弁当;二つの震災 ほか)
第5章 うつとジェンダー(料理研究家・辰巳浜子さんの本から学んだ料理の楽しさ;家事分担は「量」だけでは語れない ほか)
著者等紹介
阿古真理[アコマリ]
作家・生活史研究家。食を中心にした生活史やトレンド、ジェンダーなどを研究(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
TAGO
10
うつの症状が丁寧に描かれていて最悪な時期は 「瞳を動かしたり瞼を閉じるのでさえしんどかった」には驚いた。 うつになる要因は生育環境や職場でのパワハラや住環境や「ねばならない」と思ってしまう肩にのしかかる見えない圧など、他人事じゃないなと思う。 「ねばならない」は自分を苦しめるなとつくづく思う。 ホントに「ねばならない」のか? 今の時代ネットで検索して俯瞰して眺めることも可能だし、この本もそうだし「ねばならない」の意識の縄が解けて、これからはもう少し気楽に身軽に過ごせたらいいなと思う。 2023/06/14
ぽけっとももんが
8
家庭での料理担当者の最大の特典は、自分の食べたいものが食べられることだと思っている。だからあまり苦にならないのだ。ただ、心が弱っている時にはそれが大変な負担になるという。料理できるのが心身ともに健康のバロメータであるならば、明日もしっかりお弁当も晩ご飯も作りましょうかね。何がたべたいかなぁ。2021/07/28
きゅー
6
食文化を中心に執筆活動を行っているノンフィクションライター阿古真理によるうつ病体験談。彼女の著作が好きで何冊も読んでいるが、彼女がうつ病を患いはじめたのは、それらの本が書かれるずっと前のことだったいう。タイトルからハウツー的なイメージをもって読み始めたが、そういうものではなく、彼女の半生記といったものだった。このような本が出版されるほど彼女の名前が有名になったと思うと、愛読者としては嬉しい限りだ。山あり谷ありの生活を夫と二人三脚で生きてきた姿はたくましい。2023/07/24
もけうに
6
阿古さんの本は数々読んできたが、うつに苦しんでいたことは初めて知った。あれだけしっかり調査され、文章力もあり読み応えある本を書く傍らでうつに悩まされていたとは。母との関係に苦しみ、料理に対する葛藤があったからこそ、あれだけ厚みのある食文化論が書けるのかも知れない。彼女の本を読んでから料理研究家に興味を持つようになったが、彼女が料理を肯定的に受け入れられるようになったのも、料理研究家を調べる過程を通してだと知り驚いた。うつ時代のミニマム料理は参考になる。人生も料理もなるべく楽しく、でも無理せず続けたい。2021/11/29
ヒヨドリスキ
5
うつを発症したら料理を作るのが苦痛になった著者。毒親の呪縛からの脱却、ジェンダーの縛り、料理を楽しめなかった日々を綴った一冊。毒親と縁を切ったらうつも楽になってた。夫さんに理解して貰ってのがうらやましい。毎日献立変えなきゃっていう謎のプレッシャーは捨てて、土井先生の一汁一菜みたいに簡単でも好いと気楽に構える位でいいのよね~。これ読んでたら自分も軽くうつ傾向だったなと気づいたわ~。2023/03/18