出版社内容情報
日本の水辺は干拓や埋立ての危機にさらされている。中世以来の水辺の環境に焦点をあて、漁撈・水利開発などの生業史と、村落が資源の利用・管理に果たしてきた役割について「コモンズ」の視点から検証。水辺の「文化的景観」の長期的変動を読み解き、「里湖」としての地域システムから今後の水辺再生を考える、新たな環境史の試み。
内容説明
日本の水辺は干拓や埋立ての危機にさらされている。中世以来の水辺の環境に焦点をあて、村の生業史と資源管理、水辺のコモンズについて検証。「里湖」の地域システムから今後の水辺再生を考える、新たな環境史の試み。
目次
日本の環境史研究と「水辺」
1 河川の中世的開発と村落景観(古代末期・中世の開発画期と平野部荘園の潅漑水利―近江国野洲川右岸平野を事例として;中世居館の用水支配機能と村落景観―開発領主と中世村落;水堀の系譜と城下町の起源―中世村落から「町」へ;近江の織豊期城下町と水運・港をめぐって―「内湖」地形の歴史的利用形態)
2 湖岸の環境利用と資源管理(湖の御厨の環境史―近江国筑摩御厨における自然環境と生活形態;中近世における水辺の「コモンズ」と村落・荘郷・宮座―琵琶湖の「供祭エリ」と河海の「無縁」性をめぐって;琵琶湖岸内湖周辺村落における伝統的環境利用システムとその崩壊;エコトーンとしての潟湖における生業活動と「コモンズ」―近世・近代の八郎潟の生態系と「里湖」の実像)
水辺の環境史研究の意義と可能性
著者等紹介
佐野静代[サノシズヨ]
1968年京都市に生まれる。1991年大阪大学文学部日本学科卒業。1995年奈良女子大学大学院人間文化研究科比較文化学専攻博士課程中途退学。現在、滋賀大学環境総合研究センター准教授、博士(文学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。